review

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0,あ,,,,,,,,ら,わ

B

BECK / MELLOW GOLD

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artist:BECK  title:MELLOW GOLD  label:GEFFEN
 赤いほっぺのキュートな面持ちとは裏腹に、激シブな声を放つBECKさんのメジャー1st album。
 もぉなんでもやったれ感はこの頃からすでに強く根付いていたのかと思わせる、ヒップホップ、ブルース、カントリー、ロックがごちゃ混ぜで適当に油かけて炒めた男料理のようなアルバム。ちゃんとつっくてやる的な気合が一切感じられません。ダラダラしててグニャグニャしててもやもやしてて、でもヒトクチ頬張るとこれまたまぁ楽しい味(文字通りお楽しみな…!)がします。
 気の抜けた自然体でいるようで、じつはしたたかで確信犯的な男だったって事が後の作品を聴くことでよく分かる。特に「ANALOG ODEYSSEY」は次のアルバムを暗示してますな。
 お気にはm-1,3,5,8,10,11,12。


 
BECK / ODELAY

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artist:BECK  title:ODELAY  lablel:GEFFEN
 近々new albumを出しま赤ほっぺ渋声ベックさんの歴史に残る名盤。2nd album。
 ジャケもスリーブもわけの分からないイメージで埋め尽くされてるけど音楽もわけが分からないです。ナンジャコリャ!ヘンテコなサンプリングが飛び交う中、ロックともフォークともつかないなんともオルタナティブなトラックと、決して上手いとはいえないラップが地を這うように蠢いております。
 だからってそう、キャッチャーでない、なんてことはない。ちゃんと耳になじみやすいメロディー流れてるし、一曲一曲ちゃんとしてるんだなぁ。いろんなものが混ざりすぎて分かりづらくなってるだけ。全体で捕らえればよいのだよ。なんて格好良いアルバムだって分かるから!!
 とにかく聞く方も作った方(予想)も最高に楽しくさせるアルバム。お気にはm-1,2,4,6,7,8,9,10,11,12,14。


 
BECK / MUTATIONS

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artist:BECK  title:MUTATIONS  label:GEFFEN
 赤いほっぺのキュートな面持ちとは裏腹に、激シブな声を放つBECKさんのメジャー3rd album。
 今作は今までのフォーク、ブルース、ヒップホップ、ロックのミクスチャーチャンプルー状態な音楽から離れて、歌うこと、メロディーにこだわった、違う意味で実験的なフォーク(でもあくまでもBECK流の)で統一されてる感じです。今までの流れからいったら、突然変異、かな。
 Radioheadのプロデュースで有名なnigel godrichがたまたま制作に関わっています。そして今やIma Robotで活躍しているジョーイやジャスティンがこのアルバムから参加です。小生この2人大好きであります。
 日本盤のボーナスはとても良い曲だけど雰囲気壊しすぎでは…?変なジャケのアートワークはいいと思います。好きなのはm-1,3,6,9,13。渋過ぎてそんなに共感できず…。


 
BECK / MIDNITE VULTURES

beck-midnitevultures
artist:BECK  title:MIDNITE VULTURES  labelGEFFEN
 桃色ほっぺに激渋声のBECKさんの所謂メジャー4th album。え、どうしちゃったんですかっていうくらい楽しいアルバム。
 今までBECKの中に見え隠れしていた、アメリカをルーツとするファンク/ソウルのエッセンスを全開にした、BECKのリリースの中でも最も踊れて悪ノリ丸出し。ジャケからして今作はキテるね。中身もバカっぽい。でもただ単にバカっぽいんじゃなくて、ミックスは凄く凝ってるし、いつにも増してサンプルも多用。曲ごとに凄く練られたアレンジがされてると思う。
 dust brothersも今作に何曲か手を加えてるし、リズム隊が、今はima robotってバンドをやっているjustin meldal-johnsenとjoey waronkerで、凄いグルーブが良い。この二人が参加しているライブをBS放送で見たけど死ぬほどノリノリでした。
 funkっぽく裏声で歌いまくっているのが気持ち良い。お気にはm-1,2,5,8,9,11です。


 
beck / sea change

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artist:beck  title:sea change  label:geffen records
 激シブ声で様々なジャンルを横断するbeck hansenの悲しげ5th album。リリースはいつも通りgeffenから。
 長年連れ添った相方との別れを嘆く独りの男がここにいて、悲しくカントリーブルース節に想いを歌い上げながら瞼に涙を湛えております。失恋の悲しみの静かなヒステリックさが、ここまで音に影響するとは思えないほど大きな変化。mutationとか言っている場合じゃなく、内省的でメランコリー。
 プロデュースはradioheadも担っているnigel氏。そしてバンドのメンツにはライブでもお世話になっているdrのjoeyとbaのjustinが参加しています。でも今回は彼等の勢いよりもアレンジが先行していて、フューチャーされているのは瑞々しいアコギとボトルネックによるスライドの音と、もちろん歌。
 全体的にストリングスアレンジメントがうるさいかも。


 
BENJAMIN GIBBARD & ANDREW KENNY / HOME: VOLUME V

benjamingibbardandrewkenny-home,vol.5
artist:BENJAMIN GIBBARD & ANDREW KENNY  title:HOME: VOLUME V  label:Post-Parlo Records
 dcfcとamansetのフロントマン、benとkennyが競演を果たしたという、その手のファンには必須の一枚。post-parlo recordsからは18枚目のリリース。
 テキサスのインディーレーベルであるpost-parlo recordsの、人気バンドのソングライターにソロワークを依頼するというシリーズの5作目で、今まではbright eyesなんかも参加していたもの。ソロワークってな訳で曲はシンプルそのもの。殆どがアコギと歌だけです。
 やっぱり2人とも声が素晴らしい。styrofoamのnothing's lostでも偶然ゲストとして競演を果たしているけど、2人のシンガーとしての声のよさ、作曲の上手さを肌で感じるために、こんなに贅沢な機会はないんじゃないかなぁ。いやぁイイ企画物!
 morrからもリリースされているけど日本でまだ見たことないです。お気にはm-1,2,5,7。


 
the bird ensemble / migration


artist:the bird ensemble  title:migraion  label:happy prince
 テネシー州はナッシュビルの大学で知り合った、不特定メンバーによる音楽プロジェクトthe bird ensembleの1st album。happy princeからは3枚目。
 メンバー各々がインプロヴァイゼーションよって編み上げる楽曲は、集まっては散らばって行く小鳥たちの歌声のように、様々な想いの色が刹那的に絡み、しかしながらある一つの決定的な意志によって明確な美への陶酔を誘うのです。音は精神的なジャズ思想とアメリカ伝統のミニマリズムを、現代的に解釈することよって興されたinstrumental / experimental post-rockと言った感じ。
 メンバーは不特定といえど、やはりmichaelとkyleという2人のメンバーが中心となって活動しており、本作はアメリカではライセンス契約なしに自主製作盤としてリリースされました。インターネット上のmyspaceやlast.fmといったサイトを介して、美しい作品をつむぎだす才能が見い出され、こうして1つの素晴らしいアルバムが届けられる事に感動を覚えます。
 そして本作に関わったメンバーの内数人は、もういなくなってしまったという自由さも面白いです。


 
bonnie pink / heaven's kitchen

bonniepink-heaven'sktchen
artist:bonnie pink  title:heaven's kitchen  label:pony canyon
 赤い髪で流暢な英語を歌うオシャレな女の子、bonnie pinkの2nd album。
 スウェディッシュポップの神様tore johanssonに自ら曲を持ち込んで制作されたアルバムで、やっぱりスウェディッシュポップならではの軽やかなアレンジが気持ちよいです。晴れた日がよく似合う、とても陽のイメージに溢れた感じ。でも歌詞はちょっと暗いのもあるなぁ。
 自分的には非常にユニークな曲を書きながら、声の伸びもよくて歌うまいしもっと大衆ウケしてもいいと思うんだけどなぁ。このCDで、今までj-popばっかり聴いてた人はスウェディッシュポップに手を伸ばしてみてもいいし、洋楽を聴いてた人も「こんな日本人がいたのか」て思ってくれればいいなぁとおもいます。あぁ切ない。
 お気に入りはm-1,5,6,7,10,11の6曲。


 
bonnie pink / evil and flowers

bonniepink-evilandflowers
artist:bonnie pink  title:evil and flowers  label:stone fox
 赤い髪で流暢な英語で歌うオシャレな女の子、bonnie pinkの3rd albumです。
 スウィーデン・ポップの巨匠、tore johanssonとのコラボ作品第二弾てことで、北欧を思わせるヒンヤリとした肌触りのような空気感を醸し出しつつ、スウィーデン・ポップな感じも忘れてないです。で彼女本人の日本人離れしたグッドメロディセンスが光るナイスコラボレイションって感じです。
 こういうアルバムを聞いて思うのは、本当最近のj-popの大袈裟アレンジや大袈裟プロデュースによって、本来のメロディーとか曲の本質の部分が曇ってしまうんじゃないかってこと。だってこのアルバム、こんなにシンプルでいてとても美しいでしょ〜。バックの演奏は無駄を削ったことで軽やかなリズムとグルーブを生み出していると思います。
 歌詞は恋愛のことが多いようで。女の子の生き方みたいのも歌ってる感じがします。全曲が素晴らしいねぇ。大好きなアルバム。ベタボメです。本当名盤だと思うよ。


 
boards of canada / the campfire headphase

boardsofcanada-thecampfireheadphase
artist:boards of canada  title:the campfire headphase  label:warp records
 スコットランド出身のMichael SandisonとMarcus Eoinによるデュオ、boards of canadaの3rd album。warpからのリリース。
 綺麗で深遠で尊い。デジタル音楽なのに、カントリーやブルース以上に自然派主義を感じさせるような、それこそNHKの生命のドキュメンタリー番組のBGMみたいな、呼吸、脈、神経細胞のパルスの流れを体現している。優しさとかぬくもりとかに包まれながら溺れていってしまう。なのに苦しくないっていう。
 音に関しては、midiで作ったデーターをレコードにしてもう1回録音したかのようにざらついている。アナログなデジタル音。おかげで空気間の暖かいこと!それに加えてぺっらぺらなギタの音が懐かしい雰囲気。そしてモジュレーションの効いたシンセの波が心地よいのです。
 写真を見る限りではイイ感じの兄さん2人組み。


 
the brilliant green / the brilliant green

thebrilliantgreen-thebrilliantgreen
artist:the brilliant green  title:the brilliant green  label:sony records
 京都出身の1姫2太郎band、the brilliant greenの1st album。sony recordsからのリリース。
 当時バンドを始めようとした奥田俊作と松井亮が、ライブハウスで他のbandで歌っていた川瀬智子をスカウトする形で結成され、ドラマの主題歌として使われた"there will be love there -愛のある場所-"がヒットして一躍有名に。oasisやsmashing pumpkins等の影響を受けた感じの王道pop / rockサウンドはすんなり耳に入ってくるし、川瀬智子の甘くて舌足らずなvocalもイイ感じ。
 松井亮によるuk rock風の曲やちょっとpunkな曲と、奥田俊作によるミディアムナンバーやindie-popな曲のバランスが良く、バラエティに富んでいるけれども、洋楽ファンである本人たちの芯もきちんと通っています。1st albumであるし、急いで作ったのか荒くてアナログな音色ではあるけれども、逆にそこに人間らしい暖かさがあって大変聴き易い1枚です。
 ちなみに奥田俊作と川瀬智子は2003年に結婚。


 
built to spill / keep it like a secret

builttospill-keepitlikeasecret.jpg
artist:built to spill  title:keep it like a secret  label:warner bros.
 idaho州出身のdoug martschを中心に結成されたalt-rock band、built to spillの2nd album。リリースはwarnerです。
 alternative rockといえどemoらしさもあるし、だからと言って勢いだけでなく卓越したpopセンスを持っていて、また計算された音のハーモニーの重ね方は玄人さを感じさせます。実際彼らのサイトの写真を見ると、本人たちはヒゲ面のおっさんでこう脂ののり切った職人の香りがします。
 歪んだgt.に、しっかりしてタイトなdr.とねっとり絡みつくba.ラインが演奏の要となっている感じで、メロディー・グルーヴが耳にすんなり入ってくるのです。いかにもamerican pop rockな感じは、fountains of wayneやweezer、farrah、maeあたりと同じ様なアプローチだと思います。
 最後の曲はちょっとstereophonicsの暗めナンバー風。こういうのがもっとあっても良かったかなぁ。


 
b.fleischmann / pop loops for breakfast

b.fleischmann-poploopsforbreakfast
artist:b.fleischmann  title:pop loops for breakfast  label:charhizma
 エレクトロニカの金字塔、代表選手って言ってもいいかなぁ。bernhard fleischmannの1st album。chaの記念すべきリリース一枚目。morrからもリリース一枚目としてLPで出てます。
 浮遊する音の分子が緩やかにぶつかりあって、まったりと化学反応が進んでいくような、非常に速度の遅いドラマティックな反応のような、あぁ、そういう反応をスゴイ遠くから眺めてるような音。高いビルの屋上からヒトの往来を見てる感じかな。そして歯車が回る音が聞こえる。全てが相互作用しあっている。そんな感じ。
 morr系の音でもやっぱ秀でてるな。isan好きな人は全然いけると思うし、ここまで優しくて気持ちのイイ音はそうないです。morrは最近バンドモノにも手を出しているけど、こういう音をもっと掘り下げて欲しいなぁとおもいます。
 とくにボーナストラックのエモいエフェクト声がすき。お気にはm-3,4,6,7,10,11。


 
b.fleischmann / welcome tourist

b.fleischmann-welcometourist
artist:b.fleischmann  title:welcome tourist  label:charhizma/morr music
 charhizmaにおいてもmorrにおいてもリリース第一弾artistであるbernhard fleischmannの2枚組み4th album。chaからは25枚目、morrからは41枚目。
 柔らかなbedでうたたねmusic。bedの隣で絵本を読んでくれるママンの声music。陽が落ちて月が昇って夜空に星々が舞ってフクロウが鳴きだしたら明かりを消して流れ出すmusic。夢の国が舞ってるmusic。
 エレクトロニカだからってラップトップに頼らず、いろんな楽器が持ち込まれて優しい波形を描いてる。ギタノイズのフィードバックやサクソフォン、ビブラフォンが気持ちよすぎて酔います。vocalの声も落ち着いててイイなぁ。歌下手だけどw。
 2枚目は45分一曲の大作。この人は顔も優しそう。全曲がイイです。


 
b.fleischmann / the humbucking coil


artist:b.fleischmann  title:the humbucking coil  label:morr music
 electronicaの大御所label morr musicの大御所b.fleischmann氏の5作目。morrからは63枚目、charhizmaからは35枚目かと。
 さすが大御所というだけであって、今まで通り、期待通り優しさに満ち溢れた音を鳴らしてくださます。彼によって、打ち込みと人力のmixというかdigitalとanalogの融合が見事になされております。暗喩的にいうと神々しい光の粒子がフィードバックノイズの波に乗って流れてくるのです。
 electronicaといえどshoegazer的血縁が見て取れます。だからulrich schnaussらへんやhelios、electric president、the album leaf、landing、the radio dept.あたりを好むヒトにお勧めだったり、こういった音楽に広げていくと楽しいと思われます。そしてchristof kurzmann氏によるなんともヘタウマな歌がまたイイ。
 全体的にとてもまったりしているので、読書や大人飲み、絵描き時にお勧めっす。