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F

the fakes / I konw you are smiling because you are asleep

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artist:the fakes  title: I know you are smiling because you are asleep  label:happy prince
 オーストリアはメルボルン発の5人組のshoegazer / dream popバンド。2009年にhappy princeよりリリースされた1st album。
 元々コネチカット州でギター講師をしていたjase mccormickが、juliarna clealと出会ったことで活動がスタートし、2003年にオーストラリアのメルボルンに帰郷してから現在のメンバーとなったそうです。メンバーのチェリストであるcarolyn gannellは、happy princeから2nd albumがリリースされてる"laura"のメンバーでもあります。このアルバムは2007年までに2枚のEPをリリースを経てから、製作・発表された渾身の1枚です。
 最も際立っているのはjuliarna cleal嬢の天使のような透き通った歌声で、美しくも浮遊感のあるメロディーをなぞり、shoegazer / dream pop / slowcoreといった雰囲気のトラックの中で、繊細な輝きを放っています。しんみりと深く響くチェロの音色と、優しくリズムを刻むドラムとベース、そしてきらめくアルペジオとフィードバックを奏でるギターもまた、楽曲を魅惑的なものに仕上げています。
 深遠なリバーブがとても心地良いです。


 
filfla / frame

filfla-frame
artist:filfla  title:frame  label:plop
 fourcolor、minamo、fonicaの名義で活動し、様々なコンピの参加やデザイナーとしても知られている杉本佳一氏の別名義、filflaの1st full album。リリースはplopから15枚目のリリース。
 electronica、ambientでexperimentalな雰囲気も漂う9曲からなるアルバムで、繊細な電子音による瞬きや流れが一定の規則に従って自由に囁き合う、穏やかで心地良い作品です。自然界や生態系、晴れの日の夜空の呼吸や鼓動といったあらゆる運動が、実はたった1つの法則で協調し連動しあっていることを象徴する様な、抽象的で不明瞭なのだけど実在する音の像です。
 全体的に調和を意識して作られているのでpopでリズムもしっかりしており聴き易く、本人によるジャケットのアートワークと呼応して、1つのテーマが主張されています。音の鳴り方は非常にミニマルで、決して抜きん出て主張する音がある訳ではなく、只ひたすら平らで穏やかな流れを湛えているだけなのですが、心の温まることこの上ないのです。
 多岐に渡る活動から今後も目が離せない、マストなartistです。


 
FilFla / Sound Fiction


artist:FilFla  title:Sound Fiction  label:Headz
 fourcolor、minamo、fonicaの名義でも活動している杉本佳一氏によるソロプロジェクトFilFlaによる、3rd album。リリースはHeadzから147枚目。
 前作同様、electronicaなキラキラ電子音が散りばめられた闇夜の中を、カラフルでオーガニックな歌声や演奏が素敵な、そしてアレンジやメロディーが一層洗練された1枚です。サウンドの描く情景の美しさもさることながら、ジャケットのミニマルなデザインも、可愛らしくも哀愁の漂うモコモコした生き物が印象的で、グッド。
 一部の曲では、前作に引き続きmoskitooさんがvocalを担っており、ふわふわ柔らかくて透明なウィスパーヴォイスがとっても魅力的。録音に関してもライブに参加するメンツが関わっており、ソロといえども自己中になり過ぎないバンドの一体感が、多彩な楽曲から伝わってきます。
 3,4曲目の"Freefall"と"infinite journey"なんか、最高でイイですねぇ。


 
First Aid Kit / The Lion's Roar


artist:First Aid Kit title:The Lion's Roar label:Wichita Recordings
 スウェーデンはストックホルム発の姉妹フォークデュオ、First Aid Kitの2nd album。リリースはWichitaから。
 フォークならではのシンプルな構成でありながら、色彩豊かなメロディーと美しいコーラスが、とても華やかな楽曲を織り上げています。「救急箱」と名付けられたユニット名には、自分たちの音楽が聴く人にとって「魂に貼る絆創膏」でありたいという気持ちがあり、なるほどホッと安心する様な暖かみと優しさ、人間の弱さが曲のテーマになっています。
 この作品にベースとして参加している父親はpostpunk系のバンドをやっているらしく、姉妹は家にあった楽器機材などにより幼い頃から音楽に慣れ親しみ、自然と作曲するようになっていったとか。そして姉妹の音楽性に重要な影響を与えたBright EyesのConorやMikeが、プロデュースなど様々な形で関わっていて、おおらかなアメリカンカントリーと感傷的な北欧フォークが見事にミックスされています。
 ボックスセットにはボーナストラックやポスターにDVD、オリジナルピックが付いています。


 
the flaming lips / the soft bulletin

theflaminglips-thesoftbulletin.jpg
artist:the flaming lips  title:the soft bulletin  label:warner bros.
 1983年にusのオクラホマ州で結成。インディー通産10枚目かつ5th albumで、この時はもう三人組。
 再生ボタンを押したと同時に流れ出す、サイケでドタバタしたドラムの音と美しいハープの旋律。これで胸をやられたかと思いきや、その次に流れ出す、ヘロヘロなvoがなんともたまらんのです。もう高音とか出し切れてなくて苦しそうなのが尚良い。
 3rdまではアメリカンサイケデリック/ガレージみたいな解釈だったみたいですが、4thのウケ狙いな発想からこんな方向へ。様々な楽器がハーモニーを重ねていて、ポップ・オーケストラな仕上がりです。「lsd漬けの白昼夢」なんて形容のされ方するだけあって、聞いててとても気持ちイイです。
 捨て曲なし!コレは名盤!


 
fountains of wayne / fountains of wayne

fountainsofwayne-fountainsofwayne
artist:fountains of wayne  title:fountains of wayne  label:atlantic
 今はNYを中心に四人で活動しているfowが、まだ二人組みだった頃の1st album。atlanticからの96年デビュー作です。
 素敵なメロディーラインに、キューティーなガキくさい歌詞。もうこれは胸を躍らせてしまう素敵なギタポです。90年代ギタポといったらやはりweezerあたりが比較対象になるんだろうけど、まさに毒気のないこんなにピュアなセンスにおいてfowにかなうバンドはないよ。
 もちろんバンドの初産てのは荒削りでなんていうか足取りも不確か。おかげでギタがガンガンに鳴っていて暴れん坊な感じ。それでもこんな素晴らしいpopが96年にすでに世の中に流れていたなんて、いったいボクは何をしていたんだろう…そんな風に思ってしまう。あの頃は中学生か…ボクは浅はかだなぁ。
 このsuperman少年のジャケは貴重だそうです。お気にはm-2,3,5,6,9,11,12。


 
fountains of wayne / utopia parkway

fountainsofwayne-utopiaparkway
artist:fountains of wayne  title:utopia parkway  label:atlantic
 99年に発表されたny発のポップの玄人バンド、fountains of wayneの2nd album。リリースはatlanticからです。
 このアルバムから2人ユニットだったfowはギタのjody porterとドラムのbrian youngが参加して4人組みです。それでもやっぱり中心はadamとchris。今作でも素晴らしいソングライターっぷりを発揮しています。そしてron sexsmithがゲストとして参加。
 ギタがバリバリに鳴っていた1stと比べ、2ndの楽曲は非常にバラエティに富んでいます。お馴染みの極上のpopの他にも、カントリーやロックンロール、パンクのテイストが見え隠れしています。そして少年心溢れる歌詞…。もう職人仕事過ぎてため息が出てしまう…。
 fowはバンドを結成したときのバーの名前だとか。お気に入りはm-1,6,7,11,12。


 
fountains of wayne / welcome interstate managers

fountainsofwayne-welcomeinterstatemanagers
artist:fountains of wayne  title:welcome interstate manegers  label:virgin
 NYを拠点に活動しているパワーポップ4人組みバンドfowの、なんと4年ぶりの3rd album。virginからのリリースです。
 バンド内におけるChris CollingwoodとAdam Schlesingerコンビのソングライターぶりは迸りまくっていまして、全曲勢いのあるメロディーの聞いた良質なrock/popsに仕上がってます。oasis、beatles直系な音を出してて、その辺のパワーポップ好きには言うまでもなくお勧めです。
 アレンジも凝っていて、まずフロントマン2人のコーラスワークも絶妙だし、keyの入れ方も綺麗。また曲によってpopだけでなくcountry風なアレンジやpsychedelicな音をならしたりと、玄人過ぎる曲構成力に脱帽します。その上詩でもいろんな恋の物語をのせていて、切なさ爆発です。
 ジャケも面白い。お気にはm-1,3,6,7,9,10,12。


 
four tet / pause

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artist:four tet  title:pause  label:domino
 englandのポストロックバンドfridgeのguitarist、Kieran Hebdenのソロプロジェクトの2nd album。2001年dominoからのリリースです。
 fridgeではどちらかというとタイトで不穏なhard ocreでしたが、こちらはその反動かなかなかpop。ジャンルでいうとelectronica/popを中心にfree jazz、big beatやexperimentalなどを、結構肩の力を抜いた感じで聴かせてくれます。巧みな生演奏もありつつ面白いsamplingも交えて来るところも流石。
 基本的には電子音楽でも人力に頼っているところも多くて、オーガニックなぬくもり・雰囲気は結構あります。その影響は同時期にリリースされたfridgeの4th album "happiness"やfour tet自身の今作以降のリリースにも顕著に現れていたりします。ジャケやサイトのデザインからしてもpop色を打ち出して行きたいということでしょう。
 普通に全曲良いですね、トラック8の「蚊は嫌だ」という声とか。


 
four tet / rounds

fourtet-rounds.jpg
artist:four tet  title:rounds  label:domino
 ポストロックバンドfridgeのメンバー、Kieran Hebdenのソロプロジェクト、four tetの通算3枚目のアルバム。もちろんdominoからのリリースです。
 非常に安直なメッセージ、というかとても理解し易い音です。fridgeではそれなりに難解な姿勢でのアプローチをとっていると思うけど、その反動かfour tetではかなりシンプル。壮大さや劇的な展開は全くなくて耳にすっと入ってくるリズム、メロディ。
 シンプルといえど鳴っている音は決してチープではなく、ピアノやベル、なんかの物音やシンセのサンプルをスライスしたような音など、聞いたことのある音。それらが組み合わさってミニマルな曲を構成している感じ。まったりしてぐるぐるします。
 スリーブの写真も音の感じとあっていて素晴らしい。


 
four tet / everything ecstatic

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artist:four tet  title:everything ecstatic  label:domino
 ポストロックバンドfridgeのメンバー、Kieran Hebdenのソロプロジェクト、four tetの通算4枚目のアルバム。変態レーベルdominoからのリリースです。
 ドラマーのSteve Reid(もしかしたらライブだけかもしれないですが)が参加したせいもあってか、再生ボタンを押してからもうビートの嵐です。毎回違う音を模索しているらしく今回はドラムンベースなエッセンスや今までどおりのエレクトロニカな香りなどがして、とても楽しい雰囲気です。
 ジャケットもスリーブもすごくデザインがよくて、カラフル(すぎw)なテキストや素敵な写真など、かなりたまんない感じです。ただしそれと比べると音のほうが見た目の派手さにちょっと負けてるかなぁと思ってしまいました。もちろん遊び心満載な音ですが。
 写真はこのサイトのヒトによるものらしいです、が準備中?お気にはm-1,4,8,9,10。


 
FRENCHKICKS / YOUNG LAWYER

frenchkicks-younglawyer
artist:FRENCH KICKS  title:YOUNG LAWYER  label:Poptones
 オハイオ州はオバーリン出身のガレージ/ポップロックNYバンドの1st album。アラン・マッギーに見出されてPoptonesからのリリースです。
 何ていうか、つかみどころのないメロディー、不協和音のようなコード、予定調和を無視したようなわけのわからない曲構成。所謂ガレージロックのブームにのって現れた一連のバンドのうちのひとつ、て雰囲気もするけど一筋縄ではいかないセンスが光っている感じ。よくあるようで聞いたことないようなかなり個性的なサウンドです。飽きがこないね。オルタナロックな感じと馬鹿っぽいポップ、パンクさで、strokesやmondo diao好きとかpixies好きも聞けると思うなぁ。
 今作は結構歪んだザックリ感のあるギターと、不思議な雰囲気を醸し出すコーラスと、え、もしかして下手ですか?て感じのドタバタしたドラムが特徴的。まぁなんせVoがDrum叩きながらやってるんですから、バンドの1stなのですから、下手なのは許して。そして最後の曲のピアノの音が好き。
 ジャケのデザインもなかなかポップでいい感じ。お気に入りはm-4以外全部!ヘタウマ!


 
FRENCHKICKS / ONE TIME BELLS

frenchkicks-onetimebells
artist:FRENCHKICKS  title:ONE TIME BELLS  label:Imperial records
 ガレージ/ポップロックバンドFRENCHKICKSの2nd album。日本盤のジャケはピンクだけど、UK盤は青、US盤は白色で内容もそれぞれ少しだけ違う。
 Baが交代してVoニックの弟が新しくBaとして加入。このアルバムの制作後にDrのヒューも加入するんだけど次のアルバムが出るころには消えてました。詳細は謎。
 今作もことごとく予定調和を無視しまくりの不思議な感じで、でもどこかキャッチャーなアルバム。今作は、前作のようなユニークなギターフレーズ(特にm-8のギターソロは何だろう?)の重なりとだらだらしたコーラス、不穏なドラムパターンに手動ループのようなキーボードと耳に残るVoのメロディー、幾重にも広がるアレンジはそのままに、前作のドタバタ感は無くなって、ゆったりと大人しいめの楽曲がそろってる。どっちかって言うと前作よりも音が薄めで地味な印象を受けるかもしれないけど、その分彼らの実験的なアレンジが際立ってシンプルで聞きやすい。こんな少ない音数でも凝った楽曲になるのだな、と感心。
 やっぱりバンドってのはイケメンじゃないとやってはいけないのかなぁと凹ませる面々。お気に入りはm-1,2,3,4,5,6,10,11,13。


 
FRENCHKICKS / THE TRIAL OF THE CENTURY

frenchkicks-thetrialofthecentury
artist:FRENCHKICKS  title:THE TRIAL OF THE CENTURY  label:Startime
 ガレージ/ポップロックから少し遠のいた感のあるFRENCHKICKSの3rd album。今回は輸入盤しか出てない。ていうかなんちゅうジャケだ…。
 今作の音はだいぶ今までと変わって、1stや2ndに含まれてたパンクのエッセンスがすっかり抜き取られて、大人っぽいポップな仕上がりとなってる。それはそれで綺麗にまとまっていて良いんだけど、今までにあった予定調和を崩したようなアレンジや不協和音のギタープレイはすっかり影を潜めてしまって、正直物足りないなぁと思う。ピアノが強調されたり打ち込みが導入されたり、実験的で面白い事には変わらないし、ドラムが引き締まってグルーブ感が増していて、一作品としては良い(というかやっぱり変な曲は相変わらず多い)けれど、FRENCHKICKSのアルバムとしてはどうかな、という感じ。
 まぁ相変わらずVoやコーラスは優しくて気持ちよいし、エレピの音がだいぶ素敵で、シンプルながらも深いリヴァーブが切ない雰囲気です。
 1stや2ndの方が好きだなぁ。お気に入りはm-2,3,5,6,8,11


 
french kicks / two thousand

frenchkicks-twothousand
artist:french kicks  title:two thousand  label:Vagrant Records
 オハイオ州オバーリン出身の4人組み?(5人組みなのかな)オルタナティブロックバンド、french kicksの4th album。
 NYを拠点に活動しているだけあってか、今までにましてfreeでpopな感じに仕上がっている。以前みたいなドタバタした浮き足立った印象は無くなって、しっかり地に足の着いた、どっしりと構えたサウンドが聞けます。分かりやすくて聞きやすいのだけど、どこかクセのある変な音楽。
 ソングライティングにはやっぱりハーモニー(特に歌に関して)が意識させているようでコーラスワークはとても綺麗だし、アレンジに関してもギターとシンセの絡みがサウンドのハーモニーとして捉えても、ステレオの広がりとして捉えても楽しい。
 アートワークが3rdに増してエロくなったのはなんなんだろう。


 
FRENCH KICKS / SWIMMING


artist:FRENCH KICKS  title:SWIMMING  label:VAGRANT
 NYを拠点に活動しているindie pop/rock band、FRENCH KICKSの5th album。カリフォルニアのVAGRANTからリリース。
 1stや2ndのリリース直後は、garage rockやpost punkなどと騒がれた彼らですが、3rd辺りからどっしりとしたビートに、コーラスや楽器のハーモニーに拘る様になった様です。そして今作では、そのサウンドは今までに無く洗練されて、聴き易い様でどこか奇妙なサウンドが耳の中に泳いで入り込み、脳味噌に溶け込むような気持ちの良い作品に仕上がりました。
 多くの曲のリードボーカルはフロントマンのNickが担当していますが、3,5,8,10曲目に関してはgt.のJoshが担当しており、「今回は、友達とリラックスして演奏できる楽しみを、作品に込めようとしたんだ」とは彼の弁。実際、この作品はband初のセルフプロデュース、セルフミックスで作られており、Nickも「手の届かなかった今まで求めていた音に、最も近づけた」と語っております。
 1曲目の"Abandon"はyoutubeに動画があがってましたが、これまた楽しそうで良い感じ。


 
fridge / eph reissue

fridge-ephreissue
artist:fridge  title:eph reissue  label:temporaryresidence
 londonで96年に結成されたpost rock band fridgeの3rd albumの再発。リリースはtemporary residenceから48枚目。
 今作は99年にリリースされた3rd albumと2枚のepをコンパイルして2cdでリリースされたものです。アプローチとしては実験的でfree jazzもあり、8beatのavantでもあるhard coreで凄く穏やかならぬ感じ。four tetでのKieran Hebdenは結構pop路線の音作りを心がけている感じですが、fridgeではhardかつシリアスで緊張感たっぷりです。
 この時点でここまでしっかりしたpost rockというジャンルの下地が出来ていることに驚きですが、これ以前にリリースされたとっても気になる1st・2ndに関しては、入手が非常に困難なのです。fridgeと比較されやすいのはmice paradeやbattles、mum、hood、m83とかになると思うので、気になるヒトはそちらも聞いてみたらよいのではないでしょうか。
 disc2のラスト2曲は未発表ぽいのでとてもレアなんです。


 
fridge / happiness

fridge-happiness
artist:fridge  title:happiness  label:temporary residence
 96年london結成の3人組みpost rock band、fridgeの4th album。temporary residenceからは43枚目かな。
 four tetにて精力的に活動するkieran hebdenの影響が強く出てるのか、今までの音響的アプローチからは少しpop / folktronica歩み寄った感じがあります。それでも曲ごとのタイトルを見て分かるとおり、実験的な姿勢が軸となって今回のアルバムが産み落とされた、という感じです。
 だからオーガニックなguitarが流れるかと思いきや、pianoの不協和音がならされたり、前作のような不穏なドラムンベースがリズムを刻んだり、懐かしいピアニカの音が鳴ったりと、切り口で様々な表情を見せます。3rdと比べると落ち着いてしまったというところもあるかもしれませんが、そこは好みで。
 特にイイなぁと思ったのは、子供の声がサンプリングされている"five four child voice"ですね。


 
FRIDGE / THE SUN

fridge-thesun
artist:FRIDGE  title:THE SUN  label:Temporary Residence Limited
 ロンドンの同級生3人組によって結成されたポストロックバンドFRIDGEの、5枚目のアルバム。Temporary Residenceからは117枚目。
 前作"Happiness"が発表されてから、「3人が新作のセッションしてるかもしれない」と噂され、メンバー2人のソロ活動も話題になって、「何となく」というノリで発表されたらしい(?)待望の5枚目がこの作品。常に世界の中心となって煌々とそこに居続ける太陽の様に、時に爆発的であり時に神秘的で、絶対の存在としての畏怖のような緊張感にも襲われる、熱核融合のエネルギーに溢れた名作。
 ポストロックにカテゴライズされているとはいえ、フリージャズやクラウトロックの様な即興で実験的な音を、何の衒いも無しにやってのけてしまっていて、小難しいテクニックを使っているわけでもないのに、聴けば聴く程惹き付けられるのです。この音はそれぞれのソロ活動で培われた経験やコラボレーション、長く連れ添った友人同士である、メンバー3人でのジャムセッションがあってこそ生み出されたのでしょう。
 特にラスト2曲が素晴らしい。この作品に懸けた時間の重みが、タイトルにも音にも現れている。


 
FUNKSTORUNG / APPETITE FOR DISCTRUCTION

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artist:FUNKSTORUNG  title:APPETITE FOR DISCTRUCTION  label:!K7
 ドイツはローゼンハイム出身のマイケル・ファケッシュとクリス・デ・ルーカの二人からなるデュオの1st album。
 ビョークやウータン・クラン、テイ・トウワなどのリミックスで有名になって、このアルバムを発表。
 音の方は、ヒップホップや、痛い金属音のブレイクビーツ、エレクトロニカ、綺麗なポップとかやってて全体的にダーティな感じ。オウテカとか好きなヒトは聞いてみたら良いのでは。オウテカフォロワーとか言われているし。
 生ラップや女性Voのフィーチャリング、ラップを切り取りまくったトラック、縦横無尽に鳴りまくるリズムの嵐が盛り込まれていて楽しいです。
 ジャケのデザインも凝ってて、印刷が面倒くさそう。m-2,4,5,6,8,9,10が好きかも。


 
FUNKSTORUNG / DISCONNECTED

funkstorung-disconnected.jpg
artist:FUNKSTORUNG  title:DISCONNECTED  label:!K7
 ドイツはローゼンハイム出身のマイケル・ファケッシュとクリス・デ・ルーカの二人からなるデュオの2nd album。
 プログラミングによるリズムプロダクションよりもソングライティングに力が入っているポップソングアルバム。風のそよぐような爽やかな楽曲や、切ないエモな楽曲、ファンキーなヒップホップ、アンビエントなんかが入っててカラフル。今回もゲストいっぱいで、ノルウェイのトランペット奏者ニルス、ミュンヘンのシンガーのエニック、NYラッパーのテスやロブ・ソニック(sonic sum)、ラムのVoのルイーズ・ローズ、Massive Attackの作品でVoを披露しているサラなどが参加。歌モノとしてとても良い感じ。お洒落でスタイリッシュ。まぁ前作みたいな激しさは抑え目で大人っぽい。
 2004年のメタモルフォーゼで来日して、肌寒い苗場の山の中踊りまくりましたよ。ていうか踊ってないと寒いの。死にます。2人だけでバキバキリズムを鳴らしたり、途中からエニック氏と謎のベーシストが登場してバンドっぽいパフォーマンスを見せたりと、ビートにやられまくって脳内物質がどくどく分泌いたしました。やっぱ大音量のライブは最高だなやー。
 ジャケも本人のサイトで素材を提供してデザインを募集したみたいで、大変凝ってて、クレジットはブックレットでなく11枚のカードになってる。おきには1,3,4,5,7,8,12,13。