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0,あ,,,,,,,,ら,わ

G

gerling / children of telepathic experiences

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artist:gerling  title:children of telepathic experiences  label:festival records
 オージー発のおバカ三人組バンドの1st album。この頃はまだ日本デビューしていないのでまぁまぁ入手が困難な一枚です。もともとdarrenとpresserが活動していたトコにカナダから留学生としてきていたburkeが参加してこんな感じになったそう。
 ホットなロックナンバーとクールなダンスナンバーとがごちゃ混ぜに煮込まれた男料理って感じで、混沌かつ不穏です。チープなアナログっぽいシンセの音とか、歪みの弱めなローファイなギターとかは自分的にはかなり洗練されてない感じで好感触。
 1stでこれってのは期待しちゃうなぁて感じ、で2ndがあんな凄いから納得。てか先に2nd聞いた自分からしたら1stと2ndの差はずいぶんでかいなと思うな。
 2nd日本盤にボーナスで収録されてるghost patrol、death to the apple gerls、enter space capsuleのオリジナルも聞くことが出来ます。お気に入りはm-2,5,8,9,10,11,16。


 
gerling / when young terrorists chase the sun

gerling-whenyoungterroristschasethesun
artist:gerling  title:when young terrorists chase the sun   label:mushroom/sme
 オージー出身のダレン、プレッサーとカナダ出身のバーク(ギョロ目)の三人からなるオージーバンドの2nd albumかつ日本デビュー作。
 エレクトロニカからハウス、ヒップホップ、ローファイソフトロック、パンク、何でもかんでもやってしまう感じで、もう訳が分からん、楽しすぎ!バカすぎ!トラックを進めるたびにエレクトロニックな音楽とバンドっぽい音楽が交互に流れて新しい発見の連続、もうジャンルなんてどうでもいいじゃん何でもありじゃん的衝動を覚えます。
 ビースティー・ボーイズやベック、コーネリアス、ソニック・ユース辺りの音に影響を受けた感じのサウンドで、popだったりcoolだったりchildishだったりバカっぽくて可笑しくて、もうありとあらゆる形容詞を使って表現したくなるようなチャンプルーなアルバム。アメリカ文化もヨーロッパ文化も平等に吸収できるようなオージーという恵まれた環境がこんな音楽を育てたのかなぁと感心。ちなみにgerlingのgerlはgirlと同音同義らしいです…どういうバンド名だ…?
 お気に入り曲はm-3,4,5,7,10,12,14,15,16ってとこ。特に日本盤のボーナストラックは必聴!トーキョー!デンマーク!スウィーデン!!


 
gerling / bad blood!!!

gerling-badblood!!!
artist:gerling  title:bad blood!!!  label:Mushroom/sme
 オ−ジーを拠点に活躍するgerlingのディスコパンク/ロック/ダンスミュージックな3rd album。
 前作のような何でもやってしまえみたいなバカっぽいチャンプルー感はないです。全体的に統一感がある感じ。それでも(歌詞を見ても)やっぱり毒っぽいユーモアセンスは消えてなくて、遊び心満載なアルバム。それでいてdirtyでAggressive。どうやらgerlingのスタジオ、G.E.R.L.O.G. studioの環境に影響受けてこんな感じらしいです。
 ゲスト参加はなしで、純粋にgerlingの3人によって作られたアルバムで、darrenが全曲でVoをとっていて、ディスコパンクってこともあってメロディーよりもリズム重視。ドラムは全部打ち込みでかなりノリノリ。ていうかアルバム通して歌い方殆どいっしょじゃん!てつっこみたくなる。
 今回も特にボーナストラックが素晴らしいので皆さん日本盤を買いましょう。高いけど。m-3,4,5,6,10,11,13,14が好き。


 
god is an astronaut / far from refuge

godisanastronaut-farfromrefuge
artist:god is an astronaut  title:far from fefuge  label:happy prince
 アイルランドはダブリン出身の3ピースバンドの3rd album。happy princeからは記念すべき1枚目。
 写真でメンバー3人を見る限りheavy rock系マッチョなのですが、音もheavy且つloudですが4曲目で聞かせるような繊細で美しいpianoを鳴らす、instrumental post rock。そしてshoegazer的な轟音を響かせながらも、pink floyd、ac/dc等がお気に入りで、変拍子の曲からもprogressive rockっぽさを臭わす、変態的凄腕bandです。
 今までのリリースではエレクトロニック要素も垣間見えたようですが、今作では生演奏重視で、鳴っている楽器はgt.やba.にkey.、dr.と極めてシンプル。しかし1曲目のラストでの、怒涛のdr.サウンドの雪崩込みは凄まじく、テクニカルな豪腕とセンチメンタルな感情を併せ持つ非常に器用な band。
 初期mogwai好きにはマストだし、epic 45やsonnaからhard / heavy rockファンまで聴いて欲しいです。


 
god is an astronaut / god is an astronaut

godisanastronaut-godisanastronaut
artist:god is an astronaut  title:god is an astronaut  label:happy prince
 アイルランドはダブリン出身の、轟音post rockトリオの4th album。happy princeから6枚目のリリース。
 轟音というよりは最早heavy rockの域に近いパワフルさと、ガラス細工のように繊細な表現力を兼ね備えた"god is an astronaut"の、セルフタイトルが冠せられた自信作。前作"far from refuge"でも尋常ではないダイナミクスとエネルギーを感じましたが、今回は更に上を行っています。
 post rockらしいしっかりと抑揚のとれたメロウな演奏で、shoegazerなフィードバックや轟音を鳴らし、heavy rockのような圧倒的なパワフルさを兼ね備えております。このhappy prince盤ではライブ音源がボーナストラックとして収録されているのですが、卓越した演奏力が遺憾なく発揮されています。
 ちなみに外国盤は本人たちによるrevive recordsからのリリース。


 
the go find / miami

thegofind-miami
artist:the go find  title:miami  label:morr music
 ベルギーはアントワープのバンドからのソロプロジェクトらしい、dieter sermeusのデヴューアルバムで、morrからの47枚目のリリース。
 世界が夕暮れになったらこの音楽を聴きながら水のある方へ向かうのです。そこはあなたのメランコリックリゾート。センチメンタルプライベートビーチ。切ないハーモニー。イノセントなギターアルペジオとシンセ音が重ねられてて涙を誘い出しているのです。しかしながらそのダンサブルなビートによって体も心も揺さぶられるのです。
 ところで5曲目はstyrofoamのarne van petegemも参加。ていうか彼は編曲、録音、プロデュースにも関わってるので、この作品は結構彼風味。the go findがstyrofoamのライブの前座をつとめることもあるらしいよ。
 ジャケも素敵。ここでデザインのヒトの他の作品が見れます。お気にはm-1,2,4,7,9。メロディーが少し弱い。


 
GUITAR / SUNKISSED

guitar-sunkissed
artist:GUITAR  title:SUNKISSED   label:morr music
 morr music32枚目、GUITARの1st album。このアルバムで初めてmorr musicを知りました。
 ドイツはケルンを拠点とする、デジタル・ジョッキー(ミハエル・ルックナー)とアヤコ・アカシバからなるプロジェクトで、今回のアルバムにはdonna reginaが夫婦で参加してます。
 サウンドはシューゲイザー直系のリバースされた歪んだギター音響と甘いvocalに、少しシャッフル気味なブレイクビーツが合わさった、ポップで高揚感たっぷりの爽やかなロック/エレクトロニカ。でもやっぱりシューゲイザー本家本元のマイブラとは比較しちゃいけないか、音の厚みが違いすぎるかも。こっちはアルコール0%って感じ。本人たちが意識しているかは分からないけれども。
 とはいえ聞いててやはり心地良いし、何よりもアヤコ・アカシバの純度の高いvocalは美しくてとっても甘くて、デジタル・ジョッキー(哲学の博士号を持っているらしい…!)のラップトップ・トラックに砂糖のようによく溶けていい感じ。
 少なめ聞き易めの全8曲。お気に入りはm-1,2,3,5,8。


 
GUITAR / Honeysky

guitar-honeysky
artist:GUITAR  title:Honeysky  label:third year
 GUITARの2nd album。今回は日本のエレクトロニック・ミュージックレーベル、third yearからのリリース。
 今作はdonna reginaは参加せず(歌詞カードにコメントを寄せてますが)、デジタル・ジョッキーとアヤコ・アカシバの二人だけで作られたアルバムで、前作どおりのシューゲイザーサウンドな楽曲とフォークトロニカな楽曲が交互に流れて、良く言えば幻想的で美しいし、悪く言えばマイナーチェンジして前作の焼き回しを避けてるなとも思う。
 相変わらず爽やかで高揚感たっぷり。美しくて甘いアヤコ・アカシバの声も健在。でもきっとこのプロジェクトはこれ以上続けても何も良くならないし、何も悪くならないと思う。聞いて、とても心が落ち着いて、呼吸を委ねて、夢幻の中に誘われる。悪くはないけど、何か物足りないや。
 二人ともGUITARの他にも沢山の仕事をしています。お気に入りはm-1,2,4,7,10。


 
Gutevolk / Gutevolkと流星群 -tiny peoplr singing over the rainbow-


artist:Gutevolk  title:Gutevolkと流星群 -tiny people singing over the rainbow-  label:nobel
 西山豊乃(にしやまひろの)によるソロ・ユニット、Gutevolkの2007年2月発表の、3枚目のアルバム。リリースはnobleから14枚目。
 情景としてはジャケットのような、灯台や船や岩か何かが見える海を遠くに臨むような、ふと目醒めたら夜明けなのか夕暮れなのか定かではない時間のような、そこで夢か現実かも理解できないままに誰かがキラキラした何かを散りばめていました。electronicaという表現ではあれども、楽曲を構成する歌やリズムや詩や全てが、小人達の瞬きであるような、体温と脈拍のあるオーガニックな一枚。
 竹村延和のChildiscや、細野晴臣のdaisyworldとの関わりや、映画音楽やCM音楽制作で培ってきた経験によるものなのか、日常的ですぐ傍に置いておきたくなる様な、優しくハートに染み入るメロディ、ハーモニー、サウンドが堪らないです。アレンジ、ミックス、マスタリングを務めた橋本和昌の手腕によって、それらがふんわりと包み込まれ、素敵な音楽を届けてくれる訳です。
 "gutevolk"とは「いい人々」という意味っぽいですが、多分。