review

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0,あ,,,,,,,,ら,わ

P

pacific UV / pacific UV


artist:pacific UV  title:pacific UV  label:WARM
 GA州athensとswedenからの3人組みによる、音が美しすぎて泣けてくる1st album。warmからは多分9枚目。
 ノイズとエレクトロニカと優しいウィスパーボイスときて、shoegazerかつelectronicaでpost rockなslow coreです。こういう音楽はもう何週目なのだろう?と思いつつも、やっぱり何もかも忘れて音の洪水にどっぷり浸かりたくなってしまいます。耽美で夢幻の七色空間をどこまでもトリップできます。
 音の質感は上に述べた通りなんですが、sigur rosの前座も務めたことがあるようで、lowやslowdiveもちろんmy bloody valentineとかart of fightingが好きなヒトは気に入ると思います。shoegazerといえども轟音は控えめで、それよりも歌やアルペジオが作り出す音のハーモニーにaddictedって感じです。
 全曲まったりしていて、アルバム全体で捨て曲なく完成してます。


 
pacific UV / pacific UV


artist:pacific UV  title:longplay 2  label:WARM
 GA州Athensで結成し、OR州Portlandに住まう5人組みindie rock band、Pacific UVの2nd full album。WARMからは18枚目だと思います。
 深く響き渡るフィードバックノイズにpianoやguitar、violinの音色によるレイヤーが重ねられ、途方もなくだだっ広い情景の前に独りで佇む様な、感傷的な気分が湧き上がってきます。だけどそれはとても心地良くて、それでいて脳に直結してハートを揺らし、絶対零度と灼熱地獄を同時に味わっているかのような激しいものでもあるのです。
 音響としてはshoegazerとdream popによるpost-rock / slowcoreな感じで、epic45やhartfield、slowdive辺りと相性の良い感じの音です。こういったアプローチのbandはどんどん増えてますが、楽曲の完成度やアレンジワーク・アートワークの統一性などは抜きん出て優れていて、彼等の美的感覚にはなす術もなく圧倒されてしまいます。
 鹿を基調にしたアートワークがなんともイイですね。


 
Phoenix / Alphabetical

phoenix-alphabetical
artist:Phoenix  title:Alphabetical  label:Astralwerks
 フランスはヴェルサイユ出身のインディーオルタナロックバンド、Phoenixの2nd album。リリースはAstralwerksから。
 特別な派手さがある訳じゃないし、決して分かり易い音楽ではないのだけれど、酷く惹き付けられて、また聴きたくなる中毒性があります。フランスらしいちょっとお洒落でキザな雰囲気と、ダンスミュージックの要素を併せ持つ、スタイリッシュな大人インディーロック。
 「Phoenixの"a"から"z"まで」というタイトル通り、個性豊かな曲達がコンパクトに収められていて、サクサクと気持ち良く聴く事が出来ます。1、2曲目の"Everything is everything"と"Run run run"はシングルカットされた名曲で、"Victim of the crime"はファッションブランド"Dior homme"のコレクションに使われています。"Dior homme"のHedi Slimaneは、この作品の写真やアートワークも手掛けているんですね。
 PCにて、今作のデモやスタジオでの様子が垣間見れる動画を観る事ができます。


 
Pinback / Pinback

pinback-pinback
artist:Pinback  title:Pinback  label:Ace Fu records
 サンディエゴ出身の2人組みによるちょっと不思議な感触の歌モノ1st album。Ace Fu recordsからは7枚目のリリース。
 メンバーのarmistead burwell smith IVはThree Mile Pilotなどのメンバーとして活動していたみたい。もう1人のrob crowはHeavy VegetableやThingyなど様々なバンドのメンバーとしても活動していた様子。そんなハードコア(と思われる)出身の彼等が出会って作り出された音がこれ。
 ちょっと怪しい匂いも漂わせつつ繰り返されるギタアルペジオの前奏から、優しくて柔らかい歌声がヘンなメロディにのって流れ出して、浮遊感のある雰囲気を作り出す。ポップだけど宅録ならではの切なくて陰湿な感じがたまらんです。
 Ace Fu recordsのシール付。お気にはm-1,2,4,6,7,10。


 
pinback / blue screen life

pinback-bluescreenlife
artist:pinback  title:blue screen life  label:ace fu records
 サンディエゴ出身の2人組みによる変わったハーモニーを響かせる2nd album。Ace Fu recordsからは15枚目のリリース。
 2人ともハードコア出身らしいのだけど、そんなの想像できないほど綺麗なアルペジオと歌声の絡み。繊細な音のマフラーが編まれていく様子が、ヘッドホンを通して見えるかもしれない。見えないかもしれないけど。全ての音の一つ一つがはっきりしていて、構成がちゃんと練られてる。確信犯的。
 90年代からポストロックやオルタナティブロックと言う言葉が雑誌やメディアで飛び交っていたと思うけど、このバンドほど不思議な音の重なりを出しているバンドはそういないのでは。まぁ使ってる楽器は何も目新しくないのだけど。そう、素朴な音で奇妙な音色。
 禁欲的でかつ美しい不条理。お気にはm-1,2,6,12。


 
pinback / summer in abaddon

pinback-summerinabaddon
artist:pinback  title:summer in abaddon  label:touch and go records
 サンディエゴ出身のarmistead burwell smith IVとrob crowの二人組みからなるpinbackの3rd album。touch and go recordsからは237枚目のリリース。
 今回も相変わらず不思議な音楽鳴らしています。でも角が取れて丸くなったというか、聞きやすい感じ。オルタナティブロック/パンクからusインディーpopに歩み寄った感じがかなりして、三枚目にしてやっと方向性が決まってきたのだろうか、と思われます。
 それにしてもこのバンドのすごいところは、たくさんの楽器の旋律、アルペジオと共にたくさんのコーラスが同時になるにもかかわらず、全く不協にならないということ。ここまで多重に編まれた楽曲が無意識に作れるのなら、すごい才能の持ち主だなぁと驚嘆してしまいます。
 ライブの際には5人組みになるそうです。お気にはm-1,4,6,8,10。


 
PINE*am / Playing Intense Neutral Electronica ad nauseAM

pineam-playingintenseneutralelectronicaadnauseam
artist:PINE*am   title:Playing Intense Neutral Electronica ad nauseAM  label:USAGI-CHANG RECORDS
 女性三人組エレポップバンドの1stにして、東京都は港区南青山のインディレーベル、USAGI-CHANG RECORDSのリリース四枚目。
 詳細はぶっちゃけよく分かりません。エレクトロニカといいながらとにかくポップ、結構ロック、とにかくサイケデでキュートです。何がキュートかって、バンドマンに「女の子Voていいなぁ」と思わせる声のカワイさです。いいなぁ。女の子。
 見つけたのは渋谷のAPPLE CRUMBLE RECORD。junior seniorを思わせるポップなジャケに一目惚れしました。ジャケに劣らず楽曲もポップですが時にはしっとりした曲もちゃんと聞かせてくれます。ただ後半ににぎやかな曲ばっかてのは自分には疲れました。
 ちなみにトイレで録音されたらしいです。お気にはm-3,6,7,10。


 
THE POLYPHONIC SPREE / TheBeginning Stage Of...

thepolyphonicspree-thebeginningstageof
artist:THE POLYPHONIC SPREE  title:TheBeginning Stage Of...  label:679
 テキサス州はダラス出身、総勢25人くらい(?)の大所帯混声シンフォニックお祭りバンド、THE POLYPHONIC SPREEの1st album。
 まぁやっぱりそのユニークな白装束集団ていう見た目から、宗教的なイメージを語られがちな彼らですが、「ハピネスとサンシャインしか歌わない」と公言している通り、ゴキゲンでノリノリのポップ/ソフトロックをシンフォニックに送り届けてくれます。そんな明るさも、その昔lead VoのTimがやっていたTripping Daisyというバンドの悲劇の解散の裏返しからきているみたいです。
 音の方はアナログ楽器と電子楽器と沢山の声を組み合わせた壮大でサイケなポップロック。
 特に観客皆をそっちの世界に引き込んで「ハピネスとサンシャイン」状態にしてしまう、彼らの彼らのステージは相当な見もの。お気にはm-1,2,3,6,7,9。特に9はイイ!


 
THE POLYPHONIC SPREE / Together We're Heavy

thepolyphonicspree-togetherwereheavy
artist:THE POLYPHONIC SPREE  title:Together We're Heavy  label:maximum10
 テキサス州はダラス出身の正式には23人組みの混声シンフォニックお祭りポップロックバンドの2nd album。
 白装束からカラフルなローブへと衣装を変えて輝きっぷりも幸せっぷりも大増量の今作は、デモテープとして3日3晩で作られた前作よりも統率力も上がって全体的にまとまってるし、メロディも秀逸。とってもポップでダイナミクスに溢れている。
 このアルバムを聞いてどうしても思い出してしまうのはflaming lipsの「The Soft Bulletin」かなぁ。「LSD漬けの白昼夢」なんて形容されるぐらいの音の桃源郷を想像させるサウンドとして、近いものを感じる。
 ロックはちょっと…て人でも全然聞けると思う非常にピースフルな一枚。お気にはm-1,2,4,6,9,11


 
popium / popium

popium-popium
artist:popium  title:popium  label:egging
 ノルウェーはベルゲンの5ピースオールスターポップバンド、popiumの1st albumであり、eggingからは4枚目のリリース。
 メンバーのキャリアはもの凄く、豪華絢爛です。voは元pogo popsのfrank、keyはbarbie bonesやephemera、pogo popsのプロデュースをしていたyngve、drはa-ha、savoy、chocolate overdoseでもdrを務めているfrode。特にpogo pops、barbie bones、chocolate overdoseの3組はノルウェーのポップシーンを席巻していた素晴らしいバンド。
 でもって音のほうは、the beatles直系oasisの経由のpop-rock。fountains of wayneとかthe wannadiesなんかを聴く人にお薦めできます。なんつうかもう、popの真髄。真骨頂。popsのツボを突きまくっております。あとm-1のpv付きですよ。
 といっても、こういう類は飽きるのも早いかなぁ。イイのはm-1,3,4,9,13。


 
popium / permanently high

popium-permanentlyhigh.jpeg
artist:popium  title:permanently high  label:egging
 ノルウェーはベルゲンのオールスターバンドとして呼び声の高いpopiumの、2nd albumかつeggingから5枚目のリリース。
 1stでもそのポップセンスは充分に発揮されてましたが、近作はそれにもましてrock、bluesの渋くてちょっと切ないエッセンスが注がれています。大人でも聞けるpop。衒いが無い、というような純粋さはちょっと失われて、格好つけている感じがするのも否めないけど、母国においてメジャーな舞台でこういうストレートなpopが台頭してるってのは羨ましいです。
 音は本当pop。聞きやすいというか、耳から入ってすんなり解釈できる音って感じ。やっぱりpopの職人技が光っていて、コーラスワークやパーカッションの入れ方、gtのワビサビの聞いたフレーズは巧いなぁ、と。the wannadiesとかfowとかそういうの好きな方にはマストでしょう。
 m-2にはephemeraのクリス嬢が参加。全曲普通に良いです。


 
THE POSTAL SERVICE / GIVE UP

thepostalservice-giveup
artist:POSTAL SERVICE  title:GIVE UP  label:Sub Pop Records
 death cab for cutieのbenjamin gibbardとDntelのjimmy tamborelloが組んだユニット。ユニット名は2人がお互いにCD-Rを郵送しあって曲を作ったことに由来するみたい。あぁあとrilo kileyのjenny lewisもたまにVoとして参加。
 benの優しくて暖かい声はバンドサウンドでもよく泣かせてくれるけど、やっぱりエレクトロニカにも凄くマッチする。jimmyのプログラムしたチープだけどポップでちょっと古臭い、アナログとデジタルの隙間を行くようなバックトラックも凄い聞きやすい。特に「brand new colony」のイントロのファミコン世代な音色は、自分の耳には激萌え。
 自分は結構影響受けやすくて、いろんな曲を聴くたびに「あーこういうのつくりたかったんだよね」て思うけど、このアルバムはいつでも「あんなメロディがかけたらなぁ」て思わせる。例え他の曲を聴いてたとしても。てぐらいメロディがいい。the go findやstyrofoamみたいなメロ重視なmorr系ミュージシャンが好きな人はゼヒ聴いてみて欲しいな。
 アメリカの政府に名前変えろって言われてるみたいだね。2nd出す頃には名前が変わっちゃうのか?お気に入りは全部。m-9は特にグレイト!


 
psapp / tiger, my friend

psapp-tigermyfriend
artist:psapp  title:tiger, my friend  label:the leaf label
 englandの首都londonを中心に活動するデュオ、psappの1st album。リリースはthe leaf labelから26枚目。
 おまじない、猫、森、夜…なんておとぎ話みたいな単語が髣髴される、エレクトロニカっていうジャンルに振り分けるには不可思議な音楽。トゲがまるでなくて、つかみどころの無い、なんともフワフワした感触の音の粒がいっぱいのcuteな音楽です。
 オルガンや壊れたオモチャ、雨の音や優しい歌声が象徴するとおり、アナログの暖かみ、ぬくもりを最大限に引き出されています。だからって踊れないような感じじゃないですよ、もちろん激しくは踊れないけど。ゆったりとステップを踏む老夫婦とロウソクの照明、夜と冬とかそんなイメージ。
 といってもアナログさは2ndに劣るね。m-3,5,7,9が好き。


 
psapp / the only thing I ever wanted

psapp-theonlythingieverwanted
artist:psapp  title:the only thing I ever wanted  label:domino
 エゲレスの首都ロンドンを中心に活動するデュオ、psappの2nd album。今回はdominoからのリリースです。
 もうジャケットからしてanalogな感じを醸し出しているけど、再生してみると本当に暖かい生音っぽさを感じます。「おもちゃ箱をひっくり返したような音」と聞いてmax tundra氏を思い出したけど、彼とはだいぶ趣が違って、むしろ「真夜中に子供部屋のおもちゃたちが遊んでいるような音」。
 エレクトロニカでもドラムをmidiとして使っているような音楽は多いけど、このデュオの作品のリズムは何かをたたく音やおもちゃの音などをパーカッシブに、そして楽器の音もなるべく生にこだわってとられているみたい。そのせいかぬくもった感じが全体に漂ってます。そしてコード感やメロディが夜を象徴するようにdowner。
 お気に入りはm-3,5,6,8,9,11。特にm-9のeasyかつ母性さは中毒的。