review

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0,あ,,,,,,,,ら,わ

R

radical face / ghost

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artist:radical face  title:ghost  label:morr music
 electric presidentの片割れであるben cooperによるソロプロジェクト。リリースはこちらもmorrで、69枚目。
 electric presidentのときのpopでcuteなイメージから一変、こちらはとてもシリアスで壮大な感じ。なんでもテーマは、ヒトビトが生活し移っていく中で取り残されていく家や、家に限らず空間等に宿る思い出や思念とかの概念である"ghost"。それは音にも現れていて、ノスタルジーやメランコリーという言葉で表現できそうな、懐かしい響きがあります。
 音としてはelctronicaよりもfolk / core / old american popsていう感じでしょうか、耳によく馴染むのに表現しづらい音です。古典的なpopさが大きいかなぁ。acoustic guitarやpianoみたいな楽器が使われていて、コーラスワークも凄い。ちなみにelectric presidentのalex氏や、ben本人の弟emeral氏もゲスト参加。
 最後の曲はかなり泣メロでドキドキモノです。美しい。


 
THE RADIO DEPT / LESSER MATTERS

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artist:THE RADIO DEPT  title:LESSER MATTERS  label:Labrador
 スウィーデンのLabrador所属、四人組ドリーミーバンド、THE RADIO DEPTの1st album。本名はTHE RADIO DEPARTMENT。
 北欧の魔法のかかったキラキラ星と月の光る夜のもと、ナイトキャップかぶっちゃってパジャマ着てあったかいブランケットをかけてすやすや眠って見る宇宙の夢のバックグラウンドミュージック!!
 演奏も歌声も心地良くって、ドリーミー。深いリヴァーブサウンドとシューゲイジングしているノイジーなギターが、ポップな極上美メロディが溶け合って螺旋を描いてぐるぐる、そのまま安らぎの境地へ。あぁ気持ちいい。。。
 「strange things will happen」を歌ってるelinが書いたジャケもなかなか、ジャケ裏の写真もイイ!お気に入りはm-4,12以外くらい。結構入手困難かも。


 
the radio dept. / pet grief

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artist:the radio dept.  title:pet grief  label:labrador
 スウェーデンのshoegazer band、the radio dept.の2006年発の2nd album。リリースは北欧popの英雄labradorから。
 前作といえばshoegazer路線で煌くドリーミーノイズを鳴らしつつやっぱり北欧らしいギタポだった。しかしながら今作でフューチャーされているのはなんといってもデジタルシンセ。だってメンバ皆key担当しております見たいな事が書いてあるからね。それでもthe radio deptの芯がドリーミーなのは変わらない。
 やっぱりマイブラの台頭から脈々と流れ続けるshoegazerの血は、囁きvoとリバーブの深いオケとして受け継がれているわけで、それがelectronicaやindie popにも余裕で影響を与えていると思うのです。に加えて今回は音響のエッセンスもあり。その手のリスナーには必聴だと思いますが。
 そして何か悲しい。


 
Radiohead / Pablo Honey

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artist:Radiohead  title:Pablo Honey  label:EMI
 自分が初めて金出して買ったのはRadioheadのOK computer。というわけでRadioheadという名を全世界に広めた名曲「creep」を含む1st albumをレヴュー。
 まだポッと出の新人だからか、とにかく録音がかなりローファイ。音もだいぶ所謂UKポップス/ロックてな感じは否めなくて、このバンドがあんなになるなんて…!と感慨にふけってしまうなぁ。でも、変拍子が際立つ「fire」や珠玉のバラッド「thinking about you」、曲調を大胆に変化させる「anyone can play guitar」なんかを聞くとなるほどなぁ、と唸らされるものがあると思う。
 やっぱり凄いのはトムの声と自己破壊的な歌詞かな。まだ他のメンバーの才能は表に現れてきてない。
 個人的にはあまり好きじゃないアルバム。お気にはm-1,2,5,6,14,15。


 
Radiohead / my iron lung

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artist:Radiohead  title:my iron lung  label:parlophone
 今までアルバムのレヴューしてきましたが、何となくミニアルバムのレヴューです。なんか知らない曲がいっぱい入っていたので買ってしまった、2nd albumから先行して出されたミニアルバム。表題曲の「my iron lung」以外はアルバム未収録曲です。
 生のほとばしりをこれでもかってぐらい感じさせるトムのVoはそのままに、バンド演奏のレベルもだいぶ上がっている感じ(特にジョニーのギターは味が出てきたよ)。アレンジもだいぶ凝っていて、もうポップ/ロックという括りを飛び出して、七色メランコリーでトリッピーな、脳内に作用すること間違いなしの楽曲たち。
 といってもやっぱり「creep(acoustic)」が最高。もうエモの限界を超えている。衝動が心臓を揺さぶって候。


 
Radiohead / The Bends

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artist:Raiodhead  title:The Bends  label:EMI
 様々な期待と偏見とプレッシャーの中で長い時間をかけて生み出されたRadioheadのポップ/ロック2nd album。
 混沌と絶望がごちゃごちゃに詰め込まれた、嗚咽を我慢して、口をしかっりと閉めて、半泣きで走り出してしまいたくなりそうなトムのVo、本当にこの声には何者も敵わない。で、ありえないほど縦横無尽に神経を掻き回しまくると思えば、暖かい毛布のようなぬくもりも見せるジョニーの素晴らしいGt。
 もう迷いはない感じ。どこまでも突き抜けて、かなりロックしている。ピアノとかいろんな楽器が導入されてるのが嬉しい。ギター小僧には速弾きを目指すよりもこういう脳に直で衝撃を与えるような音を出して欲しいです。お気に入りはm-1,4,6,7,8,10,12,14。多分ね。


 
Radiohead / OK Computer

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artist:Radiohead  title:OK Computer  label:EMI
 ロックの、や、ロックだけでなくて音楽全体の歴史に残るべき、90年代の名作的最高峰なRadioheadの3rd album。
 大幅なエレクトロニクスや様々なサンプル、エフェクター、楽器の導入により、前作の衝撃がカスのように思えるくらいサウンドスケープが途方もなく彼方へ広がっていて、脳みその皺の1つ1つが順序正しく展開されて一枚の紙になって、全神経細胞の樹状突起がその上で1本1本勃起して枝になって葉をつけて林、やがては森になって世界を創り上げてられてしまいそうな素晴らしい作品。今作でもトムのファルセットも炸裂のコップから幾らでもこぼれて溢れそうな神秘的なVoもさることながら、メンバー全体の演奏も格段に上達していて最高。
 自分らは、社会に適応して、よりよい生活を目指し、所謂一般的な幸せのイメージを追求するように生きることを要求されている。あぁそんなになるなら今のままでいい。綺麗なスーツを着て、毎日家族のために働き、規則に則って秩序正しい精神で清潔な生活。
 恐怖を感じるね。そんな社会にコントロールされた生き方に。そんなら涙とゲロでまみれながら生きてる方がまだまし。抑鬱的に。絶望にまみれて。肩を落としながらでも、嗚咽を撒き散らしながらでも生きてやるさ。そう、自分は人々が勝手に作り上げてしまった社会というルールに恐怖を感じる。それにビクビクしながら従順に生きることを出来ることなら拒否したい。で、全曲がおすすめ。いいと思います。


 
Radiohead / Kid A

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artist:Radiohead  title:Kid A  label:EMI
 これまた前作からえらい時間をかけて作られたRadioheadの音響的ポストロック/ポストテクノな4th album。
 大胆な変化。「OK Computer」以前を愛聴する人からしたら、唖然としてしまうほどの。寸分のロックと、エレクトロニカ、テクノの掛け合わせなサウンド。あとモダンジャズ的なものもアルバムの中にちりばめられてる。
 コンピューターの電子音とエフェクトが過剰にかかったいろんな色の音の粒子が、スピーカーからブラウン運動でザラつきあいながら無感情で流れ続けて、どこまでも下の方へ、深く深くその流れは落ちていく。どこか温もりがあって、でも触れた瞬間絶望感に気付くと思う。涙の温もり。
 できる限りのことができたのならばいいね、全曲がまぁ好き。


 
Radiohead / Amnesiac

radiohead-amnesiac
artist:Radiohead  title:Amnesiac  label:EMI
 「Kid A」と同時期、同じ場所で作られた、姉妹のようなRadioheadの5th album。
 前作のエレクトロニカとジャズな部分がfeatureされ、特にエレクトロニカにはダンスミュージックのリズムが導入されていてかなり踊れる、かなりノリノリ。再生ボタンを押してからその鋭角な金属音の嵐がやってくるまでが楽しみ。ジャズっぽい曲は美しい響きで今までになく上品。
 スピーカーからの音の粒子の流れに乗って、どこまでも。真っ暗で深く深くへ。いっぱいキラキラしたものや、燃え続けるものが見えて、一緒に流れて行く。みんな一緒に行ける。そんな気分になります。
 姉妹作である「Kid A」と「Amnesiac」みたいな複雑で実験性の高い要素を持つ楽曲達をライブで聴いた時は凄く脳から気持ちのいい汁が出ました。m-1,2,3,4,5,6,7,8,11が好き。


 
Radiohead / Hail to the Thief

radiohead-hailtothethief
artist:Radiohead  title:Hail to the Thief  label:EMI
 かなり突き抜けた感のある、ポップな(そう、今回はとてもポップ)Radioheadの6th album。
 今までの足跡を全部たどって、今まで吸収したものを全部持ち帰って(それを手法のパクリだと揶揄する人もいるが)、さぁ2週目を走り出すぞって感じ。迷いがなくて自信と余裕に満ちた、今までで一番安定感のある作品。踊れる踊れる。ただやりたい事やりすぎているのか、全体的に一貫したテーマのようなまとまりはないけど。曲数多いし。
 やっぱり全体的には暗闇がアルバムを占めていて、キラキラ星空満天の夜の森の中で薪でも炊いて、酒飲んで走り回って踊ってわけの分からない夢の話を語り合うような、お祭りのような雰囲気。レコーディングも楽しかったって言ってるし。
 なんだかんだ言って2003年のサマソニでみた時はやっぱり凄かったなぁ。このアルバムの楽曲によって、バンドに今までにない一体感と躍動感が生まれたような気がする。最後には打ち上げ花火が上がったりして、どういう演出だよって思ったけど、まぁ最高な思い出です。いっぱいハモった。
 それにしてもやっぱり音飛びとかするのでcccdはどうなのかと。やめたほうがいいのではないかと思います。お気に入りはm-1,2,3,4,5,7,9,10,12,13,14。


 
the rapture / echoes

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artist:the rapture  title:echoes  label:Umvd Labels
 USブルックリン発の4人組みポスト・ディスコパンクバンドthe raptureの1st album。
 80's〜90'sのdance musicらへんの贅肉を削ぎ落としたついでに、何か他のとこまで削っちゃった感じの、ノリノリ人力disco punk。現代シンセじゃ出せない打ち込みとカウベルの響き、ぐねぐね唸るベースでもう腰が大回転します。
 さらに中毒的なのは、人力によるdisco soundのグルーブの危うさ、不安定さ。そしてギザギザなgtの音以上にハイトーンなvo。キレギレで刹那的シャウトは耳をつんざくわけです。と思ったら"open up your heart"、"love is all"のようなヘロヘロ腰砕けsweetを歌い上げたり、カオス。
 あとスリーブの写真、ディレイかかってるみたいで格好イイよね。


 
rei harakami / lust

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artist:rei harakami  title:lust  label:sublime records
 1996年にデビューを果たしてから最早日本を代表する電子音楽アーティストとなったrei harakamiの4th album。ken ishiiなどを擁するsublimeからのリリース。
 なんて人懐っこい音楽だろう。完璧な球体をイメージさせる音の粒子が、いろんな色、大きさで弾んで迫ってきては通り過ぎていく様をボクは想像します。そしてその一つ一つから体温を感じます。生暖かい、人肌というか息遣いのある音楽。電子音楽でありながら、unpluged楽器から鳴らされるどんな音よりも有機的。
 使っている機材はとりわけ何てこと無いものみたい。そう、高い機材があれば誰でもいい音楽が作れるわけじゃない。アプローチの仕方しだいで、どんな機材でもヒトの心に訴えかけるような作品を作り出すことが出来るってのをこのアルバムが教えてくれます。
 m-5は細野晴臣氏の曲で、歌は本人によるもの。いい声ですね。


 
rom / rom

rom-rom
artsit:rom  title:rom  label:wimm recordings
 ヒップホップの聖地マイアミから届けられた、romという名のコンビによる1st album。ボクの大好きなshop、warszawa主催のwimm recordingsから二枚目のリリース。
 ちょっとセンチメンタルでとてもデリケートな音が、バランスよく配されている音楽。アンプから出力されるelectronicaなリズムが気持ちよくてウットリしてしまいます。と思いきや、激しいgrooveのpost rock的アプローチも相まって、とても玄人的な技をやってのけてくれます。
 メンバはroberto rangeとmatt crumの二人。robertoがギタやプログラミングで美しい世界を展開し、mattが卓越したドラム捌きでその世界に鼓動を生み出します。音的にはhip hopをバックグラウンドとしたelectronica/post rock。とても新鮮なんじゃないでしょうか。
 そんなわけで17yさんいろいろありがとうございます。曲は全部当り!


 
Royksopp / Melody A.M.

royksopp-melodyam
artist:Royksopp  title:Melody A.M.  label:Wall of Sound
 ノルウェーはトロムソという寒くて小さい街出身のトルビョルンとスヴェインという二人組みのユニットの1st album。ちなみにroyksoppってのはホコリタケという小さなキノコのこと。
 音はエレクトロニカとディスコ・ミュージックが混ぜられたポップなダンスミュージックで、彼らの地元を象徴するがごとく、ヒンヤリしていて切ないけれど、でも寒いからこそ感じられる温もりと、キラキラした雪に乱反射する光が散りばめられている感じ。とにかく北欧の雰囲気たっぷりで、視覚的にも訴えるものがあります。目の前真っ白。頭の上に沢山の星とミラーボールが見えるぜ。
 ディスク2枚組みのspecial editionはremixとPVが収録されたbonus CD付き。特に「Remind Me」のPVは凄すぎて必見。お気に入りはm-2,3,4,6,7,8です。