A,B,C,D,E,F,G,H,I,J,K,L,M,N,O,P,Q,R,S,T,U,V,W,X,Y,Z
0,あ,か,さ,た,な,は,ま,や,ら,わ
T
tahiti 80 / puzzle
artist:tahiti 80 title:puzzle label:atmospheriques
2000年フランス発の四人組ポップバンド、tahiti 80のデビューアルバム。ポップの金字塔といえるアルバムです。
ハスキーながら囁くような爽やかなvo、重くうねるようなba、パーカッシブなdrumに、いわゆるrock musicのようなものとは違い大きく主張せずに曲にさらっと彩を加えるguitar。フランス発ながら、フレンチ・ポップ思わせない極上のpopです。お気に入りにbeatlesやkinks、my bloody valentineなんて名前が連なるのもうなずける、いろんな音楽を踏まえた上でのpopて感じです。
しかもゲストミュージシャンとしてfowのadamが参加したり、mixがスウィーデンポップの巨匠、toreだったりと、デビューアルバムにして制作陣も豪華。羨ましい限りです。それにしても、いろんな楽器が入ってるpopというのは本当に聞く者の耳を楽しませてくれるね。その辺のアナログ楽器の響きの良さがとても感じられます。
全曲イイけど、とりわけイイのは1,3,9,10かな。
Tahiti 80 / Wallpaper For the Soul
artist:Tahiti 80 title:Wallpaper For the Soul label:Atmospheriques
FranceはRouen発の4人組みpop band、Tahiti 80の2nd album。リリースはAtmospheriques。
CDを再生してハイハットが鳴り始め、前作で少し匂わせていた、80's dance popのようなBlackさはより濃く、そしてオーケストラ等の導入で更にPopに。Main vocalであるXavierの甘く心地良い歌声と美しいメロディラインはそのままに、かなり踊れる感じです。
プロデューサーとして今回は、Pop職人のAndy Chase(from Ivy)を向かえ、世界各地でレコーディングが行ったようです。クレジットにも書かれている通り、メンバー全員がマルチ奏者らしく、1つの概念に縛られずに様々なアイディアをぶつけあった結果が、この傑作なのでしょう。
"Tahiti 80"って名前は、Xavierの父へのお土産Tシャツから採られたそうです。
tahiti 80 / fosbury
artist:tahiti 80 title:fosbury label:atmospheriques
2000年france発の4人組みpop band、tahiti 80の3rd album。out kastなんかのプロデュースをしているneal pogue氏を迎え、france indie labelであるatmospheriquesからのリリース。
プロデューサーがhip hop、r&bなアーティストを手がけているだけあって、とても黒くて濃い作品に仕上がっていると思います。tahiti 80ならではのポップセンスを基盤に、hip hopや80's dance musicのエッセンスが盛り込まれていて、coolかつ踊れる感じです。
今まで以上にbeatやbassが強調されてリズム重視になっているのも、その辺の影響があるんだろうって思いつつ、人力にこだわらずprogrammingなんかも多用されているのはアツい。voであるxavierのハスキーで甘ったるい声もクラブよりの今作にとてもマッチしてます。
track4,6,13以外は全部好き。
.tape. / paintings
artist:.tape. title:paintings label:nature bliss
スペインはアストゥリアスの、daniel romeroによる2nd album。スペインのレーベルSpar.RKからのリリースの、日本盤。
プレイヤーの再生ボタンを押してから流れ出す、音の星屑流星群。美しいと旋律の流れと水のはねるようなリズムの中を泳ぐのが貴方。「日常のサウンド・トラックを描いている」というこの作品においては、耳から流入する音の粒子が視覚野にうったえかけて抽象画に埋没する自分を妄想させる。綺麗。
daniel romeroというヒトは、様々な楽器(それもおもちゃのような)をサンプリングしてラップトップ上で電子音とミックスし上げ、ベッドルームでこんなカラフルな作品を作り上げてしまう。こんな作品を共感覚者のヒトに聞かせたら、彼・彼女はどんな顔を見せるだろうか。
ゲストも豊富だけどちょっとボクのチンケな知識では把握しきれないので割愛。お気にはね、m-1,3,5,7,11。isanとかb.fleischmannらへんのmorr好きにもお薦め。
television / marquee moon
artist:television title:marquee moon label:elektra
70年代NY punk rockの象徴とも言われるtelevisionの1st album。リリースは老舗elektraから。
個人的には、フラフラしたガリガリの青年の、粘っこいのにカラカラに乾いた喉の、ヒリヒリした感じという印象を受けます。ハイトーンで千鳥足なtomのヴォーカルや、エッジの効いたfenderっぽいgt.音がそんな想像を掻き立てて、それが今の時代でも衝撃的だなと思わせますね。
やっぱり初期衝動punk bandといえばvelvet undergroundやtalking headsあたりとか引き合いに出されると思います。でもこの酔っ払ったようなグルーブとエロティックなgt.の絡み、クネクネしたvo.が織り成すどこか冷えたような熱狂さはこのシーンの中でも随一だったんじゃないでしょうか。
どの曲も大体好きだな。特にmarquee moonのイントロが好き。
tender forever / the soft and the hardcore
artist:tender forever title:the soft and the hardcore label:k records
france出身であるMelanie Valera嬢による死ぬほどlo-fiなポップソロプロジェクト、tender foreverの1st album。リリースはkです。
レーベルサイトによるとテーマは"emotional pop"と"lo-fi R&B"ということで、トラックはとてもシンプルでチープ。使われているシンセサイザーの音ははっきり言ってショボイし、打ち込みなのにリズムもゆれゆれ。ボーカルもひょろひょろ。それが何よりも心に響くのです。
過剰に作り込まれた音楽の胡散臭さとは対極をなすこのチープさが、人間本来の衝動に肉迫してなんとも切ない感情を呼び起こすのです。先祖返りというか原点回帰とかとも似ているようでどこか違う、とても素直な音。これはボクラに、何も飾らなくてイイのだよ、いつもの貴方でイイのだよと語りかけてくれるようです。
楽曲だけでなく、ジャケの緻密なのに適当な絵もステキ。あと本人のハニカミ写真もステキです。
tender forever / wider
artist:tender forever title:wider label:k records
france出身のmelanie valera嬢による最強popなソロプロジェクト、tender foreverの2nd album。リリースはk recordsから。
相変わらず洗練されない演奏に、お世辞にも上手いとは言えない歌声だけど、これほど心のど真ん中に直球で感情を衝突させてくるような音楽を奏でる才能はそうない。このアルバムには、子供が描いた衒いのない絵に驚かさせられるような、そして目の前にいる人々や他でもない自分自身の生命の輝きを再認識させてくれる、とっておきの曲達が詰め込まれている。
鳴らされているのは1人の女性の生の歌声と、たくさんのデジタル・アナログ楽器。ひたすらindie-popで普遍的なelectronicaなんだけど、感情がこぼれ溢れるほどに込められている。ボクらのハートや生活や意志といった極めて日常的で、ありふれているけど何よりも大切にすべきものがテーマとして歌われている。
動画を見ても、髪型とか格好イイ。
This will destroy you / This will destroy you
artist:This will destroy you title:s/t label:Magic bullet records
2005年テキサス州にて結成の4人組みinstrumental post rock band、This will destroy youのデビューアルバム。リリースはバージニア州のMagic bullet recordsで、ちょうど100枚目。
この作品の発売は2008年で、巷では当時既に沢山のpost rock band勢が鎬を削っていましたが、その中でも彼等は超ド級ストレートな美しさと堅実さで、一際輝きを放っていた、大本命indie band。王道過ぎて、特に目新しいポイントもないんですが、聴いてて感じられる揺るぎない安定感には、つい身を委ねてしまいます。
楽曲達は教科書的とでも言える程典型的で、じわじわと長い時間をかけて、曲は内包された感情を少しずつ顕わにしていき、或いはそのまま洪水の様に激しい轟音を鳴らしたり、或いはそのまま遠くに滲んでいくのです。それでもこんなにも凄く彼等の音に惹かれるのは、彼等が今後も良質なpost rockを奏でていてくれそうな気がするからでしょうか。
guitarが2人にbass、drumが1人ずつとメンバー編成もいたって普通で、bass担当のRaymondはこの作品をリリース後脱退し、現在は代わりにDonovanが参加しています。
thom yorke / the eraser
artist:thom yorke title:the eraser label:xl recordings
皆大好きradioheadのフロントマン、thom yorkeのソロ。リリースはlondonのレーベルxl recordingsからで、カタログ番号はなんと200。
プロデューサーはいつも通りのnigel氏で、アートワークもいつも通りのstanley氏。1曲目のピアノはjonnyによるものがサンプリングされているけれど、それ以外はthomとnigelによるものだそうで、前編にわたって鳴っているのはピアノ、チープなシンセ、ミニマルなビート。とても統一感がとられています。
「radioheadとしての活動と、メンバーたちの信頼なしにこのアルバムは存在し得なかった」との記述があるとおり、とてもリラックスした環境で作られた作品だと思います。なにせ緊張感がまるで無くて、音階とリズムの調和が良くとられています。これまでの活動を経たthomの「今」の青写真といえるでしょう。
楽しそうに歌っているthomが想像されます。好きなのはm-1,4,6,8。
Toman / Where Wolves Wear Wolf Wear
artist:Toman title:Where Wolves Wear Wolf Wear label:Happy Prince
ベルギーのindie postrock界隈出身バンド、Tomanの3rd album。Happy Princeから10枚目のリリース。Gravefaceからは44枚目。
ポストロックと言うにはポスト過ぎる、非常にいろんな表情を内面に持ち合わせた万華鏡の様なアルバムですが、決して明るくなくダーティで、ジャケットの様な黒字にネオンの蛍光色が踊り狂う万華鏡といった感じ。曲ごとのピークであろう部分が次々に現われては去っていき、プログレやヘヴィロック、ハードコア、オルタナロック、エモといったアプローチがチャンプルーになって吐き出されてくる様は、非常に自由で面白いです。
全7曲のこのアルバムですが、全く区切りがないままノンストップで展開し、リピート再生で聞いているといつ終わったのか分からないまま振り出しに戻る、非常にユニークな構成になっています。1枚で1つの作品として、そして所謂ポストロックらしい動と静の流れを無視した、次々に新しい世界の扉を開けては走り抜ける爽快感を催す展開が、とても新鮮で心地良いです。
Tomanとはイランの通貨単位で、1tomanは大体タバコ1箱くらいとのこと。
tristeza / spine & sensory
artist:tristeza title:dream signals in full circles label:Better Looking Records
カリフォルニア州サンディエゴ出身の4〜5人組み(当時)post rockバンドによる、1st album。better looking recordsからの再発。
2つのギターとベース、ドラム、シンセだけによる、シンプルなinstrumentalなpost rock。なのにどこまでも深く、遠い情景を思わせる、素敵な一枚。"triseza"はスペイン/ポルトガル語で"sadness"という意味ですが、なるほど"sadness"に支配された音響。
メンバーのJimmy LaValleは"the album leaf"、Stephen Sweseyは"Languis"等で活躍しており、Tristeza自体もかなりメンバーが出入りしていたりします。大胆なアレンジやアレンジメントにこだわらずとも、ただ美しい旋律を紡ぎ出す事ができるのは、何よりもそのメンバーのセンスなのでしょう。
9曲目の"cinematography"がとにかくヤバイですね。
tristeza / dream signals in full circles
artist:tristeza title:dream signals in full circles label:tiger style
カリフォルニア州はサンディエゴ出身のpost rock band、tristezaの2nd album。tiger styleからのリリース。
post rockにカテゴライズするにはその輪郭ははっきりしていて、メロディーとグルーブが際立って美しい調和のとれた曲を奏でるインストバンド。昔はhard coreだったらしいくて、そんな片鱗を見せないようなゆったり柔らか音楽ですが、赤道に程近い街並みに注ぐ日光のような、内に秘める熱を感じます。
何よりも顕著なのが、生の音に近いギターのメロディックなアルペジオ。ジャケの波紋のように、滴が落ちて1つ広がっては消えていき、また生まれるような美しさ、儚さのイメージです。それがベース、ドラムの骨組みとシンセによる肉付けで、しっかりした土台の上にちりばめられていて、とても聞きやすい。
一度は解散してしまいましたが、今はthe album leafとしてソロ活動をしているjimmy lavalleを除いた状態で活動を続けています。