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V

the velvet teen / out of the fierce parade

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artist:the velvet teen  title:out of the fierce parade  label:slowdance
 カリフォルニア発のpost rockらへんの3人組みbandの1st album。リリースはオレゴン州のslowdanceから。
 とにかく耽美的で、綺麗なvo.のファルセットボイスに加えて流れるようなメロディとアレンジ、深く安定感のあるリズム隊と、1stとは思えない完成度の高い1枚です。アルバム全体通して1羽の鳥の生と死をコンセプトとしており、アートワークから曲の流れ、歌詞まで統一感が出ていて素敵な作品として成り立っています。
 プロデューサとして参加しているのがdeath cab for cutieのchris wallaということもあって、リバーブの効いた深い音響のアレンジが特に印象的。us indie rockだけでなくslow coreやemoらしい雰囲気もあって、アイルランド系音楽やイギリスpost rock勢と併せて聞いてみるのがイイと思います。
 dr.の方の御冥福をお祈り申し上げます。


 
the velvet underground / the velvet underground & nico

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artist:the velvet underground  title:the velvet underground & nico  label:a&m
 言わずもがなのny rockの名盤、the velvet undergroundの1st album。andy warholのプロデュースでも有名。
 ロック史が語られる際に必ずと言ってイイ程「当時は売れなかったが今は永遠の名盤である」という謳い文句が付けられるアルバムです。確かにr&rなのだけど、今風の解釈をすればny punkの上流でもあるし、new wave、avantの先駆けである気もしてきます。いずれにしてもそれらのジャンルに共通してキーワードである「初期衝動」に満ちたアルバムだと言えます。
 バタバタしたdr.にザラザラしたgt.とヒステリックに鳴り続けるビオラ、lou reedによる荒々しいvo。ba.が一番まともに曲の骨組みを構成しているけれども、他のパートはどれも暴走気味でとてもヒットチャートには馴染まなそう。そしてandy warholのジャケットがこれまた上手いとこサイケデリックを誘引してくれるのです。
 nicoの歌はオマケっぽい感じがしちゃうのだけど、他の曲はどれも中毒性高し。


 
Vincent Gallo / when

vincentcallo-when.jpg
artist:Vincent Gallo  title:when  label:WARP
 映画、絵画、バイクレーサー、俳優、モデルやらマルチに才能を発揮する何でもやさん、vincent galloのおそらくサントラ以外で初めて出したアルバム。リリースはあのWARPから。WARPの87枚目リリース。
 ぬくもっている感じだけど湿度はゼロ。必要な音だけが鳴っていて、それ以外何もなくて、目の前がモノクロに。感触は暖かくて、刹那寂しさ、孤独さを感じる。人と一緒の時に聞く音楽じゃないなぁ。うちへうちへ向かう音。ぶっきらぼうな印象の本人とは違い、非常に繊細で綺麗な声。
 本人がビンテージ機材マニアだと自負するだけあって、デジタル楽器じゃ出せない、とても温もりのあるアナログ音が流れてる。何故か懐かしさを感じてしまうなぁ。
 聞いてるとちょっとセンチどころか、もう鬱って感じになる。お気にはm-2,3,4,8,9。


 
vincent gallo / the brown bunny

vincentgallo-motionpicturesoundtrack
artist:vincent gallo  title:the brown bunny  label:tulip records
 マルチな才能を発揮する奇才vincent gallo氏が2003年に製作した映画「the brown bunny」のsound truck。tulip recordsからのリリース。
 内容としてはjeff alexander、ted curson、jackson c. frank、gordon lightfoot、francesco accardo等の音源が含まれている他に、john frusiante氏が映画のために提供した楽曲が5曲収録されております。特にこのジャケの盤にはvincent氏とjohn氏のライナーノーツ(訳)がついていて、お互いの心境が確認できます。
 音としては、前半の5曲は映画の雰囲気を象徴するような60〜70's頃の渋いjazz/bluesという感じ。あまり専門でないので詳しく言及できないのが情けないですが、切なくていたたまれない、消せない自らの罪を常に後悔している主人公budの心情をよく物語っています。後半5曲のjohn氏による楽曲は本編では流れないですが、彼がvincent氏の脚本を読んで感じたままに作られた曲。前者と後者はジャンルというくくりで言えば全く違うものですが、共に同じものを象徴していると思います。
 映画本編については「あぁ男ってこうなるよなぁ」て感じです。悲哀。全曲がシミジミです。