review

A,B,C,D,E,F,G,H,I,J,K,L,M,N,O,P,Q,R,S,T,U,V,W,X,Y,Z
0,あ,,,,,,,,ら,わ

H

helios / eingya

helios-eingya
artist:helios  title:eingya  label:type recordings
 goldmund名義でも知られるkeith kennifによるhelios名義での2nd full album。リリースは11枚目。
 父親から兄弟共に音楽を習い、ボストンで音楽学校に通いつつや映画を学び、様々なジャンルのbandで演奏をこなしてきたという、音楽家として生まれるべくして生まれた天才keith kennif。今作においてslow down/acoustic/electronica/ambientといったジャンルに絞っての制作ですが、今までの経験によるセンスが音から溢れ出ています。
 調性のとれたguitarのアルペジオや美しいpianoが、シンセサイザーによるレイヤーとambientなリズムを基盤に鳴っていて、無声音楽ながら非常にエモい。その感情はセンチメンタルやメランコリーといった言葉で捉えられ、そういった言葉を象徴するような情景や記憶を頭の中に思い描かずにはいられないです。
 これは絶対必聴の名盤です!


 
helios / caesura

helios-caesura
artist:helios  title:caesura  label:type recordings
 fromオレゴン州ポートランドのKeith Kenniff氏による、helios名義の3rd full album。リリースはtypeから42枚目。
 様々な音楽経験を積んだ天才による、ただ刻々と無限に流れる時間を眺め続けながら、宇宙を永遠に漂う旅を続けている音楽です。この音楽では、あらゆる生命活動や感情も、とても小さい点か、あるいは無として帰してしまう程、世界がシリアスに捉えられて描かれています。
 前作よりも楽器に重きを置いた作風で、生楽器の瑞々しい響きと淡々としたビートの調和させつつ、楽曲としての展開が意識されています。epとは違いvocal無しで、ambientな雰囲気は残しつつも、どちらかというと緩やかなelectronica / postrockな穏やかな音に、つい身を委ねてしまいます。
 CDを外すと"FOR HOLLIE"とありますが、奥さんに対してのメッセージです。


 
her space holiday / manic expressive

herspaceholiday-manicexpressive
artist:her space holiday  title:manic expressive  label:tiger style records
 サンフランシスコを拠点に活動していたハードコアバンドから独立したmarc bianchiソロユニットの4枚目のリリース。tyger styleからは17枚目のリリース。
 エレクトロニカっていうと冷たいイメージが先行しそうだけど、このアルバムは凄いあったかい。まぁ自分が聞くのは暖かいのが多いんだけど。全編に渡って大胆に取り入られたストリングスアレンジがまさにこの人肌っぽいような温もりを与えてくれるのかも。男女混声voもあったかい。
 他にもリズム的には普通のダンスビートだけでなくてドラムンベースなリズムもありつつです。いろんな楽器が使われながらも大袈裟にならないアレンジもよいです。
 ジャケもなんかいいです。お気にはm-1,3,4,7,9。


 
her space holiday / the past presents the future

herspaceholiday-thepastpresentsthefuture
artist:her space holiday  titel:the past presents the future  label:wichita recordings
 サンフランシスコ発のmarc bianchi氏による独りプロジェクト、her space holidayの通産6枚目。wichitaからのリリース。
 凄く可愛い音楽。なんていうか、音色にしてもメロディにしても、「可愛い」て云う表現が凄い似合う。まるで冬野さほさんの書く漫画のよう。パステルカラーのライトで照らされた空間を遊泳するような、とてもpopな作品です。胸が躍るとはこのこと。
 メロディ重視らしく、聞きやすくて気持ちのイイ旋律。打ち込みによるオーケストレイションを導入しつつも、アヴァントになりすぎずに落ち着いてます。ビートも自然と気持ちが弾むような心地よさ。こんな毒素0%の音楽はたまらんですよ。
 アンチ・キリストの日、06/06/06に来日です。楽しみ。捨て曲ナシ!


 
the high llamas / gideon gaye

thehighllamas-gideongaye
artist:the high llamas  title:gideon gaye  label:alpaca park
 80年代にpopデュオとして活躍していたmicrodisneyが解散した後、seanが結成したバンド"the high llamas"の1st album。
 世に言うお洒落音楽はfrench popあたりを探ればいくらでもあるきがしますが、このイギリスのバンドが奏でる音こそが真にお洒落なんじゃないかな。あ、もちろんイイ意味で。ポップスとは違う意味合いでのpopだってのは百も承知だと思いますが、この計算されつくしたコード進行やハーモニー、非常に職人技を感じずにはいられないです。
 ただアルバム通して空気の変化は無く、インスト曲もありで、聴く音楽というよりも流す音楽。食事しながら、お茶しながら、読書しながら、買い物をしながら…なんて時にいい雰囲気を醸し出してくれるのではないでしょうか、というながら音楽です。
 楽器が沢山いれられつつ、決して大げさでないアレンジメントが好きです。お気に入りはm-2,3,5,7,13。


 
the high llamas / hawaii

artist:the high llamas  title:hawaii  label:alpaca park
 多分france発の古典pop band、the high llamasの実質2nd album。リリースはalpaca parkから。
 前作の引き続き上品且つとてもリラックスムードの漂う、50〜60'sのclassicな欧米音楽でありながら、とても聞きやすいpopさに溢れる一枚。アレンジも非常に丁寧で、普通のguitar、bass、drumといったband楽器からstrings、brassセクションまで交響っぷりが素敵。
 タイトルは"hawaii"だけど、いわゆる「ハワイ」っぽさは皆無で、別にウクレレが鳴っているわけでもフラダンスが踊る感じでもないです。それよりもヒトが思い浮かべるような桃源郷的を象徴していて、ゆったりと暮らす生命と穏やかに流れる極上の毎日を連想させる、遠い夢の国の音楽です。
 ハイソなレストランで流れていても違和感ないかも。


 
the high llamas / cold and bouncy

artist:the high llamas  title:cold and abouncy  label:alpaca
 5人組み古典的pop band、the high llamasの98年作3rd album。レーベルはalpacaというかv2から。
 今作も例に漏れずに50〜60sのclassicなamerican popsらしさもありつつ、まるでfrenchのような華やかさ・上品さもあって、1つの作品としてまとまっています。また随所にfulton dingley(今作のエンジニア兼ミキサーで、stereolab等も手掛ける)による電子音が散りばめられていて、今で言うシカゴ音響系の雛形ともいえます。
 彼らの音楽では、オケ全体のハーモニーに主眼が置かれていて、メロディラインを執るvo、楽器であっても決して前に出すぎず、控えめです。それよりも楽器全体が作り出す交響が美しく、brassチームやstringsチームの絡みが聞いていてとても楽しいし、そこにマリンバ・ビブラフォンが重なっていっそう美しく仕上がってます。
 もし電子音入ってなかったら飽きそうだけど。いやそのダルさも好きですが。


 
hood / the cycle of days and seasons

hood-thecycleofdaysandseasons
artist:hood  title:the cycle of days and seasons  label:domino
 イングランドのリーズにて1990年に結成された、当時恐らく6人バンド、hoodの4th album。変態レーベルdominoからは61枚目のリリース。
 まず感じられるのは音響系らしい、experimentalな雰囲気。不気味なくらいまで静謐で、物音を立てて曲を汚してはいけないような、純粋さを感じます。organicだけどcoolな、ボクらがイングランドと聞いて想像するような寒くて湿った空気をアンプから。
 folkギタやらドローンなベース、淡々とした生ドラムに乗せて、つぶやくような声が旋律のようで旋律じゃない流れを歌う。そして千切れ千切れのサンプル音がそこらに散りばめられていて、殺風景な景色に枯れた植物が写るジャケを象徴している感じ。
 とにかく侘しくて寂しいです。お気にはm-1,4,6。


 
hood / cold house

hood-coldhouse
artist:hood  title:cold house  label:aesthetics
 イングランドはリーズ出身のスローコアバンド、hoodの通産5th album。シカゴのaestheticsからは17枚目のリリース。
 その場の空気を凍らしてしまうような、冷やっこい雰囲気を醸し出しつつ、前作に比べて歌が多く入っているので、少しpopです。イングランドの湿っぽくて冷たい冬の朝焼けを想像させる、叙情的でセンチメンタルな一枚。とにかくひたすら耽美です。
 folkyなギタアルペジオに加えて、効果的にリバーブやディレイのかけられた幻想的なドラミング、打ち込みも多様に使われていて、デジタルとアナログの融合が綺麗に行われています。その上hiphopのエッセンスも注がれて、唯一無二なサウンドが繰り広げられています。
 とはいえやはりエレクトロニカのにおいが強いでしょうか。お気に入りはm-1,4,5,7,10。


 
Hope Of The States / The Lost Riots

hopeofthestate-thelostriots
artist:Hope OF The States  title:The Lost Riots  label:Sony Music UK
 イングランドはチチェスターという小さな町出身のポストロックバンドの1st album。
 バンド構成は普通の4ピース+ピアノやらオルガンやらバイオリンの5人(最初は6人だったけど2004年1月にGtのジェイムスが自殺してしまった)となっていて、他にライブやPVの映像、ジャケを手がけるType2Errorという二人組みのユニットもいる。
 沢山の楽器を盛り込んだ分厚いバックと、生々しい声が印象的なVo。荘厳で重苦しい雰囲気の中に、キラキラしたGtのアルペジオが瞬いてる。基本的に音のでかいバンドはあんまり好まない(リズムが楽しい、とか何て言うか面白みがあればそうでもないかも)から、ちょっと大げさだなぁとも思ってしまうけれども。ライヴ映像は見たいけど。
 初期radioheadやmogwai、mew、sigur rosなんかが好みだったら是非。m-2,4,6,7,11がいいかも。